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焦燥② 晴sideにしおりをはさみました!
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焦燥② 晴side
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思いっきり走り出す音がしてから電話が切れたから、千夏はあっという間に来てくれるだろう。
しかしここに来るように言ったから、合流するためにはここから動けない。
今すぐ奏太を探しに行きたい気持ちを抑えて、とりあえず奏里に電話する。
『もしもし。考えてたんだけど、一番居る可能性が高いのは音楽室かな。今は丁度授業がないし。次は社会科資料室。そっちは離れにあるからね』
待ち構えていたのか、奏里はワンコールで電話に出た。
「じゃあ、今すぐ…っ!!」
『待って。絶対に鍵を掛けてると思うから、鍵を取りに行かないと。
音楽室の扉は防音も兼ねて分厚くできてるし金属だし、ぶち壊すのはいくらなんでも無理』
「教務室まで行ってられっかよ…!!
早く行かないと、奏太が!」
『わかってる! 最後まで話を聞きなさい!!
とりあえずそこで千夏と合流。
千夏に鍵を取りに行くよう伝えて!
今からだとあんたが伝えた方が電話するより早いと思うから
先生には、私が話を通しておく。
千夏に伝えたら、あんたは直ちに音楽室に向かうこと。
扉を開けてくれるように説得して。
無理だったら千夏が到着するまで時間稼ぎよ!!』
こんな時でもこんなに合理的に、そして効率的に物事を考えることができる奏里は、やはり場慣れしていた。
「わかった」
『じゃあ、私は教務室に電話するから。
頼んだよ!』
ぶちっと勢い良く電話が切られ、俺は少しでも早く千夏と合流するために旧校舎の階段を下りたところで千夏を待つことにした。
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