アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
本当に強い人 晴sideにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
本当に強い人 晴side
-
「おい、何のつもりだ。
俺はまだ帰る気なかったっつーのに…
お前のせいで帰る雰囲気になっちまったじゃねーか」
廊下に出ると奏里は病室から少し離れた壁によりかかって腕を組んだ。
「えー?あたしのせいじゃないよ。
お兄ちゃんがばいばいって言ったからでしょ?」
「…チッ。
しかも、趣味悪い態度とカッコしやがって」
奏太の学校の制服を着て、奏太みたいなウィッグを被った奏里は、それでもやはり奏太とは違う。
一目瞭然だ。
「趣味悪いだなんて!そっくりじゃん?」
「るっせーよ。大違いだ。
それに、お前が殊勝にしてると気味悪い」
「ひっど!!!ああいう設定なんだから仕方ないでしょ!?
せっかくあたしが一刻も早くお兄ちゃんに会いたいにも関わらず、あんたのために寄り道して来たっていうのに!」
「…は?どういうことだ」
「あんたに用事があるって言ったでしょー?」
「そんなん嘘だと思ってたわ。
なんなんだよ」
「さっき、『本当に強い人に会わせてあげる』って言ったよね?
連れてきてやった。感謝しなさい」
「行動はえーな…、どこにいるんだ?」
もしかして、待たせているのか。
悠長に壁に寄りかかっている場合ではないのではないか。
そんなことを軽く心配していると、下の方から声がした。
「お前の目の前にいるぜ!」
元気溌剌、といったような男の声。
『本当に強い』と言われる男の声は思った以上に高く、思わず目線を落とす。
「俺は、神林 春(かんばやししゅん)!
長い付き合いになりそうだ、よろしくな!」
その声の主は、童顔で、身長160なんて遠く及ばないようなチビ助だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
79 / 104