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西川先生と春くんにしおりをはさみました!
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西川先生と春くん
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「俺が行ってる道場、あそこはなんなんだ?」
「うちの離れだよー。
実は指導者用の更衣室の奥に、うちに繋がる渡り廊下があんの。
門下生が正門だと思ってる出入り口はシロカワの裏門なんだ」
「知らなかったな…、でも、道理でおかしいと思った。
あんだけ熱心に剣道やらせておきながら、大会に出るのはおろか、運動部に所属することさえ一切許さないんだもんな」
「その理由はあんたにも分かるでしょ?」
「…ああ」
まだ話を呑み込めていない僕を置いて、二人は話を続ける。
奏里がまた冗談を言って僕を騙そうとしているのかとも考えたけど、どうもそうじゃないみたい。
春くんはあんまり冗談を言うキャラじゃないし、もしかして、本当に…??
そこまで考えたときに、奏里が大きな声を出した。
「ところで、西川せんせー?
盗み聞きは良くないよん!」
…西川先生!?
何を言い出すのかと思ったら、ガラリとドアが開いた。
「あちゃー、ばれてたぁ?」
「気づいてないのはお兄ちゃんだけですよ」
「師匠がほっといてるから良いのか思ったし、何も言わなかったけどな」
「春、お兄ちゃん、この人はねー、シロカワのかかりつけの医者、西川透先生だよ!
先生、こっちは神林春。うちの道場の門下生」
西川先生って、そうだったの!?
今まで何回かお世話になってたけど、そんなこと全く知らなかった…!
「…ん〜?」
西川先生は小首を傾げながら春くんを上から下までまじまじと見つめた。
「な、なんすか」
見つめられる春くんは、なんだか居心地が悪そう。
「ん〜…おチビちゃん」
「んなっ!?チビじゃねぇ!!!!」
「ムキになっちゃってぇ〜。
奏里ちゃん、ちょっとこの子借りるね?」
そう言うと、西川先生はひょいっと春くんを脇に抱える。
「いてら。
春、また明日ね!」
「…は!?何すんの!?」
「お楽しみぃ〜☆」
おい、離せよおぉ、と春くんの叫ぶ声が、廊下に響いて虚しく消えていった。
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