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異国の言葉にしおりをはさみました!
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異国の言葉
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「はぁっ…。」
(キャピキャピした女の子、華奢な男の子、ここはまるで異国の地だ。)
列に並んでいる男を見た。
今時というのだろうか、細身の身体に黒のTシャツ、長い足はピッタリとしたジーンズに覆われていた。
(絶対、俺よりは年下だよな)
あんなにタメ口で話されると実はここの教師とか?なんて思ってしまう。
(まぁ、綺麗な顔しちゃって)
幸希は頬杖をついて、その横顔を見ていた。
列にいる間男は、何度かスカート丈の短い女の子たちに話しかけられ、首を振って返していた。
「珍しく勝谷(かつたに)くん学食いたから誘ったのに〜。」
先程、男に声をかけていた女の子が幸希の横を通り過ぎた。
(勝谷…そういえばあのコンビニのネームプレートにも書いてた)
がしゃり
目の前にトレーを置かれ、幸希ははっとして顔を上げた。
「はい。」
目の前にはニンニクの香りの効いた唐揚げとご飯と味噌汁が並んだいた。
幸希はゴクリと唾を飲んだ。
「どうぞ。」
男は割り箸を割り、幸希に差し出した。
「で、でも…。」
「学長に報告するよ。」
「でも…これじゃあ…。」
(逆じゃん)
と思ったが、目の前の唐揚げはコンビニとは違い、揚げたてが食欲をそそった。
「ほら。」
再び男は幸希に割り箸を押しつけた。
「いただきます…。」
(うっ…)
口の中に広がるジューシィな肉汁、醤油とニンニクの絶妙なバランス。白米が進む。
そんな幸希を見め、男は口元を緩めて自分の箸を割った。
「逃げてるかと思ったよ。」
「あっ…。」
唐揚げを口の端に咥えたまま、幸希は後悔した。
(そうか〜)
「逃げたら諦めようかと思ってた。」
嬉しそうな笑う男に幸希は何も言えず味噌汁をすすった。
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