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モンスター大学生
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「あっ、はい、はい。そういうことなんで伊田さん、先に帰っといて下さい。はい…ご本人さんはそれでいいっていってくれているんで。もしもの時は学長さんに謝罪しときます。いいですよ!あっ、はい、すみません。助かります。はい、失礼します。」
パタン。
「で?”伊田さん”はなんて?」
「…本人がそれで許してくれるなら…それでいいって。」
男はパンっと手を叩き、「じゃあ、決まり。」と嬉しそうにいった。
「だからって…。」
幸希はぎゅっと拳を握った。
「だからって学食おごるってのもないんじゃないですか?」
周りは若い子がわんさかトレーを持ってウロウロしたり、楽しそうにテーブルについたりしていた。
「俺は被害者だぜ?」
「あ、あれは事故です。だいたい…。」
周りの子はみんなオシャレで、スマートな格好をしている。作業着の幸希は明らかに浮きに浮いていた。
「こんな奴いたら変でしょう?」
「全然。」
「お、お友達とかに見られたら嫌でしょう?」
「そんなにここにいるのが嫌なら学長に報告してもいいんだぜ。」
「…。」
幸希は大人しく席についた。
「なに食べる?ここの学食、有名なんだぜ。」
(あっ…)
「…ない。」
「えっ?」
顔面蒼白になる幸希に男は顔を近づけてきた。
「金…ない。今日、給料日だから昼休み下ろしてこうと思ってたから。」
(なんていおう…また後日?許されなさそう…それとも今から下ろしに行く?でもATMこのへんどこにあるんだ?授業始まるしとかいわれたら…!)
ぐるぐる考えていると男は立ち上がり、幸希の髪をくりゃりと撫ぜた。
「待ってろ。」
「はっ?」
幸希ははっと顔を上げた。
男は幸希を置いて、注文カウンターへ歩いて行った。
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