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夕焼けマーブルにしおりをはさみました!
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夕焼けマーブル
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塾からの帰り。親友が振り返ってオレにこう言った。
「なぁ、トウマ…俺ら付き合わねえ?」
思い詰めた顔は、チャラ男のダイスケに似合わない深刻さだ。
「はぁ?何バカ言ってんだよ?第一ダイスケ、男はダメじゃん!」
「だっ、だけどさ…」
言いかけて、ダイスケの顔がクシャリと歪んだ。
「あぁぁぁ!ソレ?
もう言うなって。…つか、巻き込んだのコッチだし。マジ悪かったって」
ついさっき。
コイツの目の前で、オレはフラれた。
まだ耳に残る
彼からのサヨナラ。
せめてもの慰めは、寄り添うように無言を貫いてくれたダイスケの友情だったのに。
なんで、オマエがそんな顔すんだよ?
「だって、オマエさっきあんな…」
「全っ然!想定内。こうなるって分かってたから、そうでも無いって」
そう、実はかなり前から終わりは見えていた。
カノジョのいる人とのセフレ関係なんて。
ずっと苦しかったけど。これでやっと、終わりになったんだ。
「本当に、これで良いのかよ?」
「シツコイ!あんまり言うんなら、…キスすんぞ!?」
親友からの変な告白を早く冗談にしたくて
柄にも無くふざけてみた。
「…いいけど?」
即答したダイスケがニヤリと笑って、オレに顔を近付けてくる。
チャラ男だけど。
ダイスケはムダにイケメンだ。
スポーツマンらしいガタイと、少し濃い目の顔が、ワイルドな色気を感じさせなくもなかったりして。
からかわれてると解ってても、オレを見る目が一瞬マヂっぽくみえて、逆にこっちが焦るハメになった。
「あっ、アイス!食いに行こうぜ!!」
「今からか?」
ダルそうなダイスケを横目にオレはダッシュした。
「遅い方が払うっ!!」
「おいっ!!ずりーぞ!トウマ」
オレを追うダイスケの声は、すっかり普段通りで。
ホッとしたような
勿体無かったような
まるで暮れかかった空の色みたいに
オレは複雑な心境だった。
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