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7にしおりをはさみました!
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「あ、そうだ。」
そういうと、夜人さんは自分の部屋へも駆け込んでいき、今朝渡した弁当箱を持ってきた。
「ご馳走様でした。」
そう言って、柔らかな笑顔を見せた。
背は高いけれど、細身で肌も白くて、ぱっと見れば本当に女の人みたいだ。
「? どしたの、旭クン?」
「あっ、いや何でもないですっ。…あ、味はどうでしたか?」
「うん、美味しかったよ。味付けもちょうど良かったし、あと、なんていうか…。」
「? 何かまずい所ありましたかっ?」
「凄く凝ってて可愛いね! 君のお弁当。俺、タコさんウインナーとか小学校以来食べてなかったから、ちょっと懐かしくなっちゃったよ。あはは」
「あ…。すみませんっ、つい癖で…。」
ちっちゃい頃から可愛い物やキラキラした綺麗な物が好きで、沢山集めてた。手先を使うのも得意だったから、手芸とか料理もよくやってた。
パティシエになろうと思ったのも、スイーツをあんなに可愛く出来る職業に凄く惹きつけられたからで。。
でも、そういうのが好き過ぎてお弁当作ってる時もついつい凝っちゃって…、高校の時は同級生にオネェなの?ってよく笑われた。
「え?謝ることないよ? むしろ、こんな隣のおっさんの為に朝から丁寧に作ってくれたんだなぁって、嬉しかった。ありがとう」
「そ、そうですか…。良かったです」
また、喜んでくれた。誰かに喜んで貰えるだけで、こんなにも温かい気持ちになれるだなんて…
「あ。ねえ、また今度あのクマさんおにぎりの作り方教えてほしいなー」
「え? い、いいですよっ!」
「ホントにー?ありがと」
いや、この人だからなのかも、しれない。。
照れくさくて熱くなった頬は、まだ冷めそうにない。
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