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16にしおりをはさみました!
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16
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ーーーその翌日、製菓学校にて。
最近の休み時間、僕はノートを開いてメモを取るのが日課になりつつあった。
それは、学校の課題でも授業の書き写しでもないんだけど、ね……。
「んー……、今日は夜人さん何食べたいかなぁ。。」
メールしてみようかな? あ、でも描く作業の邪魔したら悪いか。。
「んー……」
「何してんの??」
?!
背後で声がしたので、僕は驚いて振り向いた。
「あ、なんだ健人かー。」
こいつは来栖木健人(くるすぎ けんと)。製菓学校で仲良くなったんだけど、こっちに来てから一番仲のいい友人。
「なんだとはなんだよ。休み時間までクソ真面目に何書いてるのかと思ったら……ん?料理のメモ??旭、料理好きなの?」
「ばっ、勝手に見んなよっ!…ちょっと今日の夕飯考えてただけ」
「夕飯考えるのにイラスト付きでメモしてんの??旭って意外とマメなんだ。」
「意外って…失礼だな、僕はもともと結構マメですー」
「へぇー、その割にはレポートとかいつもギリじゃん(笑)」
うっ…、痛い所ついてきやがった。。
てかなんで知ってるんだよ、こいつっ
「あ、てか今週の実技テスト。どんなスイーツ作るか図案は考えたのか?」
「あ……、いや、まだ。。」
完全に忘れてた。まだ何作るかも決めてない…。
「バカっ! たく、仕方ないから俺も手伝ってやるから今日考えるぞ!場所は、旭ん家でいいか」
「あ、ありがと…って、え?僕ん家??」
「なんかあんのか?」
「あ、いや…。。わかった」
健人の気迫に負けて、自宅で考えることになってしまった。。夜人さんが来るまでに終わらせなきゃな…。
ーーーー
「ねえ、やっぱファミレスとかで良くない?」
「なんで?余計な金掛かっちゃうだろ。」
そ、そうだけどさ…。うーん…。
そうこう言ってるうちに、アパートについてしまった。。仕方なく、階段を上がっていく。
すると、前方で玄関の開く音がした。
「! あ。夜人さ……」
扉から出てきたのは、身なりの整った夜人さん。と、女の人。
「…あ、旭クン!おかえり。今日は、友達と一緒かい?」
「は、はい。。」
『あ、この子が噂の旭くんって子?可愛い子ね』
「そうそう。俺の命の恩人。」
『あははっ夜人って、放っておくと絵に夢中で本当に何も食べないもんねー。』
夜人さんのこと、呼び捨て……。
仲良さげに会話する夜人さんの表情は、すごく楽しそうだった。
「あ、旭くん。今日帰り遅くなると思う、だから一緒に食べれそうに無いんだ…。ごめんね」
「そう、ですか。分かりました。じゃあまた今度で!」
「うん。本当ごめんね。」
そう言って、夜人さんは女の人と歩いて行った。
そっか…。今日は夜人さん来ないんだ…。
「…旭、もしかしてあのおじさんなんかの為にレシピ作ってたの?」
「………。」
「良くわかんないけどさ。見ず知らずの隣のおじさんだろ?そこまでする必要ないって。」
「…うっさい。僕が勝手にやってるだけだからいいのっ。…ほら、さっさと図案考えなきゃ。」
そうやって無理矢理切り替えようとしたけど全然だめで、全くいい案が浮かばないまま時間だけが過ぎてった。
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