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親友悪友腐れ縁?![01]にしおりをはさみました!
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親友悪友腐れ縁?![01]
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季節は春。
ようやく白い雪の舞う冬を越し、暖かくのどかな季節がやってきた。
そしてよーやくオレにも春が来たってもんだ!
そう望んでしまうオレってダメダメ人間ですか?
【親友悪友腐れ縁?!】
「そっこの彼女。オレとカラオケでも行かない?」
駅前で片っ端から綺麗な女性を見つけては声をかけているオレの名前は、湯浅 徹。
ぴっちぴっちの高校二年生だ。
自分で言うのもなんだけどオレって結構美少年だったりするわけで。
そこらへんに普通に突っ立ってても、女性の人からお声がかかるほどなわけですよ。
じゃあ、なんでこんなところでナンパなんてしてるのかって?
そんなの声をかけてもらうのを待つのより、自分から誘ったほうが断然早いじゃん。
青春という貴重な時間は限られているわけだし、だったら少しでも大事にしたいと思うだろ?
「へ~。キミ髪の毛キレイだね。手入れとか大変じゃない?」
「え、あの…そんなこと、ないです…」
オレが軽く微笑んでやると女の子は頬を少し赤らめた。
くぅ~!
これだよコレっ!
清楚で可憐な女の子。
ちょっと大人しそうで、抱きしめてやればオレの身体にスッポリ納まりそうな小柄な身体。
オレはコレを求めていたんだ~!!
「せっかくこうして出会えたんだし、一緒に遊ばない?」
「え、でも…」
「あ、オレ、湯浅徹っていうんだ。ちょっと先にある聖陵高校の学生サン」
「あ…私はセント女学院の――…」
すぱこーん。
彼女の名前を聞き出そうとした瞬間、乾いた…それもマヌケな音がした。
しかもオレの頭の上で、だ。
こんなどつき方をする奴は、アイツしかいない――…。
「お嬢さん、今このバカにヘンな事されなかった?」
携帯電話のパンフレットを片手に後ろの立つ男。
「あ、いえ…」
「ゴメンね~。コイツ悪い奴じゃないんだけど女の子が好きで手当たり次第に手を出しちゃうんだよ」
「は、はぁ…」
「今日は俺に免じて許してくれないかな?ね?」
「は、はいっ!」
再び女の子は顔を赤く染める。
オレが微笑みかけたときより数段赤い頬をしながら、小さくお辞儀をして去っていった。
「ふぅ。ヤレヤレ…今回は話がわかる女の子で良かったよ」
「…良かった…じゃねーよ!」
「ん?徹どした?」
のんきな喋り方が余計にムカつく!
「どーしたもこーしたもあるかっ!人の青春を邪魔するのも大概にしろ!!」
「あ~?別に邪魔した覚えはねーけど…」
「あれのどこが邪魔してないつーんだよっ」
あらかさまに邪魔してンだろーが!
「そっかぁ?そりゃ悪かったな」
「ぜっんぜん誠意を感じねぇぞ…」
「だって悪いと思ってねぇもん」
このヤロー。
ふざけるのもいい加減にしやがれってんだ。
オレが怒っているというのに当の本人はまったく反省の色がない。
ポンポンと丸めたパンフレットで肩を叩いているコイツは、西原 巽。
オレの親友であり悪友でもあり…そして腐れ縁である。
近所だっていうのがあるかもしれないけど、何かとコイツとは気があった。
出会ったのは中学の時。
でも、どうやって知り合ったのかは詳しく覚えていない。
何故かそこらへんだけ記憶がスッポリ抜け落ちてる。
まあ、きっとたいした記憶じゃないんだろうけど。
「しっかし徹。お前も懲りないやつだな~。なんでそんなに女の子のことナンパするんだ?」
「は?アホかお前。いいか、高校生っていう青春はたったの三年間しかないんだぞ。その青春を満喫しないでどうするんだ」
「青春ねぇ…」
いかにも興味なさそうな返事。
「なんだよ。いかにも興味ありませ~ん、っていう感じの返事だな」
「ん~…興味がねえわけじゃねーけど」
チラリと巽がオレのほうを見る。
「なんだよ?」
「いんや、別に」
「ヘンな奴だな」
巽だって結構モテるのに、何故か女性と付き合った話は聞いたことがない。
というより、一旦オッケーしても長く続いてないだけなんだけど。
なんでなんだろな。
はっ!
もしかして巽のヤツ不感症…とか?
ポカッ。
「イテッ。何しやがるっ!」
「てめぇ、まーたロクでもないこと考えてただろ」
「な、なんでそれを」
「ばぁか。徹の考えてることなんて見当がつくんだよ」
「じゃあ当ててみな」
どうせ分かるはずない、とオレは自信満々に答えた。
「それは構わないけど…。ただ答えただけじゃつまらないな」
「それもそうだな…」
ん~…。
オレはここで、一回考え込んだんだ。
けど、よくよく考えたらここでもっとちゃんと巽の思考を読んでおけば良かったと思う。
[2015/01/11] 新規投稿
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