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18歳以上ですか?
19にしおりをはさみました!
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19
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「叶多、どうして嘘を吐いた?」
「……え?」
「ずっと俺の傍に居るって言ったのに、どうして何も言わないで消えたの?」
「それは……」
唐突にされた質問と共に頬を指先がツッと這う。
手首は拘束されたままだから、もう一つの声の主である佐野に掴まれているのだろう。
「後見人が……須賀さんだって……だから」
「違うよ叶多。まだ後見人は須賀じゃない」
「なっ……やぁっ!」
唯斗の問いを無視するなんて昔から出来やしなかったから、話せる範囲で答えた途端、思いも因らない答えと共に、シャツのボタンを引きちぎるように袷の部分が開かれて……驚きの余り叶多の口から悲鳴に近い声が上がった。
「そう、正確には須賀家じゃない。現在裁判で係争中だ」
喉を鳴らしてクスリと笑う感情の見えない佐野の声に、身体中に鳥肌が立って叶多はカタカタ震えだす。
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