アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
75にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
75
-
「唯、僕は……」
「おかえり叶多。話しは後で、ゆっくりしよう」
「え?あっ……んっ、ううっ」
自ら車を降りた所で、叶多の意識はプツリと切れる。
背後から……佐野に薬を嗅がされてしまったからだ。
だから……そのあと御園と須賀と佐野が、どんな会話を交わしたのかも勿論聞こえていなかったし、御園と一緒に現れた佐野が、どういう訳か須賀の車に乗り込んだのも見えなかった。
***
ーーーここは、何処?
目を覚ました叶多が視線をゆっくり動かし見回すと……柔らかな光が射し込む広い部屋の中だった。
「叶多、起きた?」
「あっ……唯?」
頭上から響いた声の方へと首を動かすと、ベッド脇にある椅子に座った唯人の姿が視界に映る。
「唯、ここは一体……」
「叶多を守る為なんだ。ちょっと窮屈かもしれないけど我慢……できるよね?」
額にそっと触れた掌が、ひんやりと冷たく感じた。
最後に彼の姿を見てからまだ半年も経っていないのに、懐かしさがこみ上げるのは……その間に叶多を襲った数々の出来事のせいだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
277 / 552