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18歳以上ですか?
87にしおりをはさみました!
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87
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『これを、日付順にCのファイルへ閉じておけ』
『は、はい』
何故ーーー辛い事ばかりだった筈なのに、こんな平和な光景が……映し出されているのだろう?
『お前、映画見たことも無いのか?』
『……無いです』
『そうか』
細切れに再生される唯人の元へと戻る直前の光景に……これは自分の見ている夢だとすぐに悟る事が出来た。
生徒会室でのやりとりや、部屋に戻った後のリビングでの光景が、まるでスライドショーのように頭の中で再生される。
それは、叶多の学生生活の中で、瞬と一緒に過ごした時間の次に穏やかな物だった。
『まだ会長来ないから、ちょっと座って休んでな』
『大丈夫?顔色悪いよ?』
今更のように思い出される、自分を気に掛け気遣う言葉。
それまでが過酷過ぎたせいで、また何かの罠ではないかと常に叶多は怯えていたから、瞬や伊東や他の生徒会役員達の優しさに……当時は全く気づけなかった。
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