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④にしおりをはさみました!
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④
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ガチャ
「はあ…ただいま…」
あ、言わなくてもいいのか…
『おかえり。』と誰にも言われない帰宅は久しぶりで、それだけ憂心が居た日々というのはオレにとって、たった数十日で習慣づいてしまうほど大切に思っていたものなのかと実感してしまう。
真っ暗な部屋、電気をつけるのでさえ久々で、電気がついて明るくなった部屋の机には美味そうな料理が並んでいた。
家に帰ってすぐご飯が食べられるなんて、今までよりはずっと幸せのはずなのに、なんとも言えない喪失感と物足りなさで、どうも食欲が湧かない。
あの笑顔がなきゃな…
「いただきます。」
そう思っても残すのは嫌で、オカズを口に運ぶ、それはやっぱり美味しくて、目の前に誰もいないことがより哀しくなった。
「美味い…」
居なかったらこの言葉を、
直接伝えることもできない。
憂心はこれからどうするんだ、
また、あの子と暮らすんだろうか…
ぼーっとしながらの歯磨き、
ぼーっとしながらのお風呂、
ぼーっとしながらの着替え、
全てを何も考えまいとして行動した結果、いつもより寝るのが遅くなってしまった。
時刻は夜中の2時過ぎ。
電気を全て消して布団に入る。
1人で寝ようとすると、ベットがいつまで経っても温まらない。
「さみぃ。…」
毛布増やすか。
ごそごそと起き上がってクローゼットを開く。
ガタッ
「痛っ!」
電気を付けないまま開けたせいか開いたドアに思いっきり足の指をぶつけた。片足を持ってぴょんぴょんのたうち回る。
「くっそ…情けねえ…」
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