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始めまして赤ちゃん◇関屋◇にしおりをはさみました!
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始めまして赤ちゃん◇関屋◇
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裕太は赤ちゃんを出産と同時に逝って、グッタリとしている。
看護師がバタバタと動き回り、止血と赤ちゃんを呼吸させるために掃除をする。
「ふぎゃーふぎゃーふぎゃー」
元気な赤ちゃんの産声、僕は耳に浸透させるように聞き耳を立てた。
「裕太、お疲れ様、ありがとう…」
髪が汗で額にくっついている。
手はまだ握られているし、離そうにも離してもらえないらしい。
「赤ちゃんも母体も無事だし、関屋良かったなおめっとさん!」
「橘、ありがとう…」
「お前さんもお父さんか…遊び人だったのにな…」
「裕太と出逢ってすぐに全員と別れたよ」
「あの全員とか!!!」
「裕太は知ってるから大丈夫、裕太を連れて別れたから」
「60人近く居たセフレとね…」
「失礼な!45人だ!」
「対して変わらねーだろ!ま、そんだけ本気になれる奴に出会えた訳だ」
「自分でもさ、まさか運命の相手に出逢えるとは思わなかったよ」
そう、あの衝撃は忘れない、一目惚れで、指先で触れただけでも感電したように痺れたあの感覚。
「生まれた子だが、男の子で関屋そっくり」
「僕に?………」
「大切にしてやりな!じゃ、俺は次があるから…早めに部屋出ろよ」
「当たり前だろ、裕太が産んてくれたんだから…あぁ…」
橘は次の分娩の為、部屋を後にした。
看護師が来て、手を離さない裕太に苦笑いをして、僕と一緒に病室へと戻してくれた。
「赤ちゃんご覧になります?」
「いえ、裕太が起きたらナースコール押します」
「はい」
暫くして裕太が少し身動いで、傷が痛むのか身体をビクッとさせ僕の手を更に強く握った。
裕太は寂しがり屋だ、構ってもらえないと浮気みたいな行動を取る、僕はね裕太、君を離す事なんて無いから、君が僕に呆れて出て行ってしまったら…と、思うくらいだから。
「ぐぐうぅー…」
「ん?」
「んあー…身体だりぃー…」
裕太の腹の虫が鳴き、瞼がゆっくりと開かれ第一声が「身体だりぃー…」とは、裕太らしい(笑)
「裕太お疲れ様」
「あ、朝則!赤ん坊は?」
「無事だよ、裕太、赤ちゃん産んで気を失っちゃったからね…」
「朝則はもう抱っこしたのか?」
「この状態だったし」
指を絡ませ、恋人繋ぎにして見せた。
「ナースコールを押せば看護師さんが連れて来てくれるよ?」
「自分で見に…ゔっ…」
「ほら、まだ起きられないんだから、安静にして…リクライニングベッドだから起こしてあげるよ」
ポーーン
『猫山さん目覚めました?』
「はい、赤ちゃんお願いします」
『はーい、しばらくお待ちください』
僕と裕太との子供にもうすぐ逢える。
二人でドキドキしながら、ノックを待つ。
「すっげー緊張して来た」
「僕もだよ」
コンコン
「はい」
「お待たせしましたー♡」
薄い水色の服を着せられた、小さな小さな赤ちゃん。
「…ちっせぇー」
「お母さん、抱っこしてあげてください」
「うわっ!うわっ!落としたら…」
「大丈夫ですよー、こうして…上手です♡」
裕太の片腕に収まる我が子、とても小さくて、とても大きな存在。
「『祈』…」
「え?」
「赤ん坊の名前だよ『祈』」
「祈…」
名前を呟くと『祈』が目を開けて僕を見てにぱぁと笑った。
「おっ!笑った祈が笑った」
「キャッキャッ」
「祈はオカンとオトンに幸せにしてくれる大切な宝物だぞ」
裕太…。
「始めまして祈、僕は君のオトンだよ」
「始めまして祈、俺が祈を産んだオカンだよ」
その後裕太は一週間ほど入院して、赤ちゃんと一緒に退院。
毎日のその小さな身体で怒ったり、泣いたり、笑ったりと僕達も君と一緒に成長するよ、君の手本になるかは分からないけれど、君の自慢になるような親になるからね?
生まれて来てくれてありがとう祈。
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