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トラウマにしおりをはさみました!
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トラウマ
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藤本の口調が一変した。
「あの男、だれ?」
俺は思わず目を泳がせた。
藤本のそんな攻撃的な声は聞いたことがない。
こちらが笑っていても怒っていても泣いていても不気味なぐらい笑みを絶やさなかった藤本。
全身の毛が逆立つみたいだ。
あきらかな、殺意のようなものが、感じられた。
やだ。それだけは止めて。
水音だけは手を出さないで…!!
俺はポケットの中のケータイを握りしめた。
「誰に電話するんですか?」
「……」
「俺はもう先輩の質問に答えましたよ」
「……」
「誰ですか?」
「…と、友だち」
「…………そんなんで誤魔化し切れるとでも?」
「………」
助けて。
「誰だよ!!」
たす、けて。
頭が、痛い。
視界が、グラグラする。
「誰だっつってるだろ!!!」
まわりの音が、聞こえない。
頭が真っ白になっ、て…
「……た」
「あ!?」
「たす……あお、し…」
そのまま、俺は意識を、手放した。
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