アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
虎の正体にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
虎の正体
-
それから藤本はなんとか言い出すタイミングを図ろうとしていたが、やはり部長ともなれば俺の仕事量とは比べ物にならない。
藤本は俺のひいき目を差し引いて見ても、デキル男そのものなのだ。
仕事ができて部下に慕われ、上への反応も上々。
上司としては鏡のような男だった。
結局、その話題はなあなあになったまま、俺は帰宅の途についた。
電車に揺られている間、頭に浮かぶのはあのときのことばかりだった。
司の電話番号を見つめては、今度は藤本の電話番号を表示させる。
これを幾度となく繰り返し、俺は結局どちらにも電話はかけずじまいだった。
最近の司はすこし痩せたように見えた。
まるで仲良くなる前の司みたいにどこか暗くて、なにかごまかしているみたいだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
163 / 431