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18歳以上ですか?
7にしおりをはさみました!
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7
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どうして、宮地さんが怒るんだ? もしかして……。
「宮地さん、もしかして俺のこと心配、してくれてたんっすか?」
「はぁ!?」
よっぽど意外な一言だったようで、宮地さんはア然とした表情で俺を見つめた。
「な、ばっっかじゃねぇ!? なんで俺がお前の心配なんか! つか、ウジウジ悩んでるお前がウザかっただけだっつーの! あんまおかしな事言うともういっぺん犯すぞ!」
言葉とは裏腹に、ほんのり耳が赤くなっている事に気が付いて急に可笑しさが込み上げてくる。
笑っちゃいけないと思って必死に笑いを堪えていると、宮地先輩が小さく肩を竦めた。
「高尾はさ、暗い顔より笑ってる方が似合ってんだよ。ウジウジ悩むとか、らしくねぇことすんなって!」
ぽんぽんと俺の頭を撫でて、俺が手に持っていた汚れた真ちゃんのユニフォームをひょいと掴む。
「お前が緑間に言う勇気ないなら俺が代わりに伝えてやろうか?」
「えっ!? いやいやいやっ! ソレ有り得ないからっ! マジやめて先輩っ!」
人づてに告るとかそんなの嫌すぎる。
「ククッ、ま、もしアイツに玉砕されたら俺が拾ってやるから心配すんな。まぁ、そんときは絶対に緑間轢くけどな」
なんて物騒なことを言いながら、宮地さんは衣服を整えさっさと屋上から出て行ってしまった。
宮地さんって、怖くて性格悪い奴だと思ってたけど、俺が考えてた以上にいい人なのかもしれない。なんだかんだで、真ちゃんのユニフォーム持ってってくれたし。
去っていった後ろ姿を見送って、小さく息を吐いた。
「俺もそろそろ帰ろっかな。真ちゃん待ってるだろうし」
昼休みが終わるまであと一〇分。
乱れた着衣を整えて、痛む腰に苦笑しつつ俺も部室棟を後にした。
『――明日の朝練前に部室に集合な! 来なかったら緑間に全部バラしてやる!』
その日の夜、メールボックスに入っていた内容を見て、俺はガックシと項垂れた。
いい人かもしれないって思ったのは俺の一時的な気の迷いだったみたい。
俺の受難は、まだまだ続きそうだ。
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