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151.✧妬いてるにしおりをはさみました!
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151.✧妬いてる
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✧✧✧✧
旭を連れて寝室から出ようとしたら、旭が足を止めて俺の腕を強く引っ張った。不意に変な方向に引っ張られたから、簡単にバランスを崩してベッドに倒れ込む。
寝転がった俺に覆い被さるようにして旭はベッドに手をついた。後ろにはシーツ、前には旭がいて逃げ道を塞がれている。
「……びっくりした………。旭、いきなりどうしたの?ほら、桜姉とデート行くんでしょ、支度しなきゃ」
「やだ………」
「『やだ』じゃないよ。桜姉が待ってるから」
「ねえ、楓さん……。俺…、楓さんを困らせたくないのに、楓さんがやきもち妬いてくれるの嬉しいんだ………。妬いてくれないと寂しいって思う……。おかしいんだ、俺…」
旭は俺のセーターの胸元にぐりぐりと頭を擦り付けて、困ったように静かな声でそう言った。旭の事だから、自分が感じてる嬉しさに矛盾を感じて戸惑ってるんだろう。
…………ほんとに素直になったよな……。前なんか俺が妬いてるのを見て楽しそうな顔してたから。困らせてるなんて微塵も思ってなかっただろうし。
「………おかしくないよ。俺だって旭がやきもち妬いてくれたら嬉しい。たとえそのやきもちが、旭のモヤモヤから来ててもね。それに、旭がやきもち妬くような事、わざとしたことある。俺の方がもっとおかしいよ」
「………俺、さっき楓さんが桜さんとデート行くの?って質問してきたとき、やきもち妬いてほしくて『行く』って答えた………」
「そうだったの?………ふふ、可愛いなぁ。それじゃあ、その作戦は成功だね」
「……妬いてくれた…?」
俺の上に寝そべったままの旭に可愛く上目遣いでそう聞かれて、正直に頷くと旭は顔を綻ばせた。
このまま可愛い旭とイチャイチャしていたいけど、桜姉がダイニングで待ってるだろうから早く行かなきゃだ。
「旭、そろそろ行かないと。桜姉がお腹空かせて待ってるよ」
「………うん…。俺もお腹空いた。……ね、楓さん。今日の桜さんとのデート?って、行った方がいいの?」
「……そうだね、頑張っておいで。けど、あんまりイチャイチャしないでね」
少し寂しそうな顔をした旭の頭をひと撫でしてから、ベッドを下りて寝室を出た。
起きてきた時と同じように雑誌を読んでた桜姉が、「遅かったわね」とニヤニヤして言ってきたのをスルーして朝食をテーブルに並べる。
桜姉は見るからにうきうきしていて、旭と出かけるのを楽しみにしているようだった。
たぶん旭は疲れて帰ってくるだろうから、帰ってきたらたくさん甘やかしてやろう。
そんな事を考えながら三人で朝食を食べ終えて、支度をしたあと桜姉と旭は出かけて行った。
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