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169.✩バイトにしおりをはさみました!
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169.✩バイト
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✩✩✩✩
あの後、桜さんが呼びにくるまで楓さんとソファーで甘えるというかまったりとした時間を過ごした。楓さんも朝の冷たい雰囲気は無くていつものやわらかい感じだった。
「仲直りできた?」
次の日、いつものカフェで開口一番にそう聞いてきた柚里に俺は笑顔で頷いた。
「あのね、デートすることになったんだ!」
「デート?それまたどうして……仲直りできたのならいいけれど」
「クリスマスあたりがいいね、って話になってね、すごく楽しみ!」
「ふふ、良かったわね。……ところで、アルバイトのことは聞いたの?」
「あ……忘れてた……」
そもそもデート資金のためにバイトしたいと思ったんだから、デートの後にバイト始めたんじゃ遅い。
せっかく楓さんと仲直りできたんだ。また困らせるようなことはしたくないけど……無断でバイトする方が困らせるよね……。
「楓の許容範囲がいまいちよく分からないわね……。もしカフェがダメなら、うちでアルバイトすればいいわ。それも楓に言った方がいいわね」
「柚里の家ってお店でもやってるの?」
「まあ、そんなところね。あなたは顔もいいし料理も上手だからどっちもできるわ。……それにあなたなら遠慮なく使えるし」
最後になにか怖いことを言われた気がするけどよく聞こえなかったからそのまま流した。
ふとカフェの入り口を見るとちょうど大和が入って来た。
朝から大和を見かけるなんて珍しい。
そう思って大和を見ていると目が合って、俺たちに気付いた大和は手を振って人のいい笑顔を浮かべて俺たちがいる席に来た。
「おはよー」
「大和!ちょうどいいところに来たね!」
「おー、なんだなんだ」
「俺って大和と同じバイト先だったんでしょ?そのバイト先について聞きたいんだけど……」
「いいよ。何でも聞いてくれよ!あっ、もしかしてバイト始めるのか?それだったら店長に話しておくけど?」
「まだ許可とってないから分からないけどね。でも許可おりたらよろしく」
柚里が言うには、バイトするにも楓さんの許可が必要らしいし。できるかどうか分からない、と肩をすくめて答えると、大和は「……許可?」と不思議そうな表情をしていた。
「旭には独占欲の強い恋人がいるのよね」
「ああ、平坂さんか。俺もそんな恋人ほしいわー」
柚里が茶化したようにそう言うと大和は納得して笑った。柚里はいつも言ってるけど、楓さんってそんなに独占欲強いのかな?俺の感覚がおかしいだけ?
何はともあれ、今は大和にバイト先のことを聞くのが優先だ。楓さんには帰ってから聞けばいいし、大和の話は楓さんを説得する材料になるかもしれない。そう思っていつになく俺は真面目に大和の話を聞いた。
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