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24-4side獅琉にしおりをはさみました!
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24-4side獅琉
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獅琉の家に現れた男、黒葛朧(ツヅラオボロ)は客間で獅琉と向かい合って座っていた。
黒髪に真っ赤なメッシュ、狐を彷彿とさせる細く釣り上がった目、胸元が大きく開いたTシャツに黒のスキニーのパンツを履いて現れた彼は、こちらの世界では名の知れた若い情報屋だ。
どこから情報を集めているのか知らないが、彼の持っている情報の正確さは獅琉も買っていて、仕事で何度か黒葛に情報提供を依頼したことがあった。
「久しぶりだな、朧...」
「あー、うん。つーか、そんな挨拶なくていいよ。わざわざ俺を呼び出すなんて...何か困ってンだろ?若頭さん?」
ニヤリと笑う唇から覗くのは彼に良く似合う、尖った八重歯。
「...探してもらいたい奴がいる」
「へぇ?」
「報酬はいくらでも払う」
「...俺の情報を買うの?」
「ああ」
「ふーん?でも若頭さん、知ってンだろ?俺の情報は安くねぇ」
「...何が望みだ、俺が持っているものなら何でも差し出す」
「は、何それ?そんなに切羽詰ってるワケ?」
「一秒でも早く、正確な情報が欲しい」
「それじゃあ、余計に高ついちゃうよ?」
「構わない」
「へぇ?君がそんなコト言うの珍しいじゃん。いいよ、乗ったその話」
「...報酬は?」
「君をそこまで真剣にさせるその人物とお近付きになること...で、どう?」
ここまではスムーズに進んでいた交渉だが、黒葛が提示してきた報酬に獅琉は言葉を詰まらせる。
「そ、れは...」
コイツは危険な人間だ。黒葛の持っている情報と人脈は計り知れない。そんな人間に麗の情報が流れたら?麗と直接接触したら?誰かにその情報を売ったら?
「別に、嫌だったらイイよ?ただ、この取り引きはナシ」
この状況で、獅琉に選択権なんてものはなかった。
「...っ、...分かった」
「オッケー、取り引き成立、ね?若頭さん」
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