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「で?その探して欲しい奴って?」
「コイツだ」
麗の写真をスマホで見せると黒葛は驚いたような顔をする。
「アルビノ?」
「ああ」
「へぇ...こんなに綺麗な子は初めて見たな...つーか、こんなに目立つ容姿なのに俺が知らないとか...名前は?」
「麗だ」
「...苗字は?」
「ない」
「は?...なら戸籍はどこに?」
「ない」
「あのさぁ...それ、どうやって探すの?なんの情報もないジャン?」
「それを探すのがお前の仕事だ」
「...へぇ?久しぶりに面白そうだネ...詳しく話聞かせて」
今までの経緯を簡単に説明すると、黙って聞いていた黒葛が立ち上がり、伸びをしながら言った。
「んーっ...ここ数年若頭さんが何かを隠してるなぁとは思ってたケド、まさか男の子を囲ってたなんてな...。いいよその誘拐犯特定してきてあげる。但し、報酬、忘れンなよ?」
「...わかってる」
「オッケー、じゃあ遅くても明日の夜までには報告に来るネ」
「頼んだ...」
黒葛の目をしっかりと見て答えると面白そうに笑う彼。
「大丈夫大丈夫、そんなに君が真剣になるくらい大事な麗クン、絶対見つけてみせるから」
語尾に「面白そうだから」と口に出しては言わないが、獅琉にははっきりと聞こえた。
部屋から出ていく細い後ろ姿を見送って溜息をつく。
黒葛は危険な男だ。だが、麗を見つけるためには...俺だけじゃどう仕様もない...
麗を見つけて連れて帰る事が先決だ。
「れい...っ」
呻くように呟いてみても、いつもの様に可愛い返事は返って来ない。
どこに行ったんだ...、泣いてないか?痛い思いしてないか?寂しがってないか?
もしお前に何かあったら...俺は...っ
「絶対に、見つけてやるから...」
だからどうか、無事でいてくれ...
麗が居なくなってから何度そう祈ったことか。
麗を思う気持ちと同時に、犯人に対する憎悪や憎しみが時間が経つにつれてどんどん膨らんでいくのを獅琉は感じていた。
どんな野郎か知らねーが...見つけたら絶対にぶっ殺す...
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