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24-6
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獅琉は自分なりにツテを辿ってなんとか麗の居場所のヒントだけでも得られないかと情報を漁り、夜になって一段落したところで麗と生活していた部屋に戻って来た。
───大した情報は得られなかったが、今日俺が出掛けてしばらくした頃に屋敷の前に車が停めてあるのを見た奴が3人...
犯人の車と考えて間違いねーだろうな。
車で連れて行かれたとなると...どこまで連れて行かれたのか...
考えれば考える程悪い方に考えてしまう。
「だめだ...」
一人で考えていても暗くなるだけだ、と寝室へ向かう。
明日になれば黒葛が情報を持ってくる。
俺が動くのはそれからだ。
そう言い聞かせてスウェットに着替えベッドを整えて横になる。
今日は麗がいないから、ベッドが嫌に広く感じる。
「...さむ」
空調が効いている部屋で、しかももう春だというのに肌寒い。
この部屋、こんなに寒かったっけ?
思い返してみると麗が来てから一人で寝たことなんて一度もなかった。
いつも隣には小さくて温かい麗がいた。
「...あー...」
麗がいないとまともに眠れもしねぇ...
麗のこと笑えねぇな...
ベッドの下に落ちていた麗のぬいぐるみを拾い上げ、麗の枕の上に置いた。
「お前、麗が連れて行かれるところ見たんだろ?どこ行ったんだよあのチビ...泣いてなかったか...?お前も、麗が居なくて寂しいよな...」
その日、結局獅琉は一睡も出来ないまま朝を迎えた。
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