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26-5にしおりをはさみました!
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26-5
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1時間程バイクを運転して到着したのは黒葛に指定された喜川隼の別荘。
想像していたよりも少し小さい建物の前でそれを見上げる。
「趣味悪...」
外壁も屋根も扉も全て黒で統一されているのを見て呟く獅琉。
既に麗が拐われてから1日以上経っている。
どうやって麗を取り返すかなんて考えている時間はない。
今すぐ助けてやる、麗...
玄関まで来てインターホンを鳴らすが、中からは物音一つ聞こえない。
「...出てくるなんて思ってねーが」
少し後ろに下がってぐっと重心を下げ、長い脚を思いっきり振り切った。
大きな音を立てて破壊されたドアを踏み付けながら家の中に入っていく獅琉は、今まで麗見せたことの無いくらい猛々しいオーラを放っている。
麗を隠しているなら一番奥だろう、とズカズカと家の奥へ進むと人の気配を感じて立ち止まる。
「...だれ」
「喜川隼か?」
「...」
音もなく目の前に現れたのは緑色の瞳を持つ男。
身長は獅琉より少し低いくらいでしなやかな体つきをしている。
コイツが、麗を...
「何の用...?」
「麗はどこだ」
「...っ...れい...しらない」
「へぇ?俺の可愛い可愛い真っ白な餓鬼なんだけど...」
「...っ!...れい、お前の...じゃない...!」
ぴくりと反応して声を荒らげた隼を獅琉は冷めた目で見下ろしている。
「...どけ」
「だめ、れい...かえさな...」
獅琉の前からどこうとしない隼の鳩尾に向かって足を振り上げるが、隼は後ろに飛び退いてそれを躱す。
「...っ...!...」
「へぇ...なかなかやるもんだな...だが、少しおイタが過ぎるだろ?誰のモンに手出したと思ってんだ...それなりの覚悟は出来てんだろうな...?」
そこに在ったのは、冷酷で人を人とも思わないと恐れられる、東雲組若頭東雲獅琉の姿だった。
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