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28-0side麗にしおりをはさみました!
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28-0side麗
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真っ白な世界で麗は1人立っていた。
「あ、れ...?」
きょろきょろと周りを見回しても何も見当たらない。
ただただ白い世界が広がっているだけ。
どうして...こんなところにいるんだっけ...?
はやてのところにいたはずじゃ...
ひとりぼっちでいる筈なのに、不思議と寂しいとは思わなかった。
なんだか...ここ...あったかい...
安心したらどっと疲れが押し寄せてきて麗は膝をつく。
「ぼく...つかれ、ちゃった...ちょっと、だけ...おやすみ...」
麗がその場に蹲って目を閉じて眠ろうとすると鼻先にふわふわしたものが触れたのを感じた。
「う...?」
麗が目を開くと目の前にいたのは真っ白なうさぎ。
「...うさぎさん...」
うさぎは真っ赤な目で麗を見つめ、くんくんと麗の匂いをかいでいる。
「なぁに...?」
麗が優しく頭を撫でてやると小さな手に擦り寄ってきた。
「ふふ...かわいいね...」
うさぎを撫でながらうとうとしていた麗が再び目を閉じるとうさぎはまた麗の鼻先に自分の鼻先を押し付けてくる。
「うぅ...なぁに...」
この後もうさぎは麗に眠って欲しくないのか麗が目を閉じる度に麗を起こしてきた。
「うさぎさん...、ぼくがねたら...いやなの...?」
うさぎは何も答えずただ麗をじっと見つめているだけだ。
「...でもぼく、もう...ねむいよ...ぅ」
麗が困ったようにそう言うとうさぎの長い耳がぴくぴくと動き、首を伸ばして何かを探すような仕草を始めた。
「ど、したの...?」
麗もうさぎが見ている方向を見ると声が聞こえた。
──れい
どこかで聞いたことのあるような、安心する声。
この声.........
麗は一気に目が覚めた。
どうして忘れていたんだろう、こんなに大好きな人の声を。
ずっとぼくのことをよんでたの...?
まってて...いま、そっちにいくから...
いつの間にかうさぎは居なくなっていた。
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