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28-1
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誰かが争っている声で麗は目覚めた。
「お前すぐ目覚ますって言っただろ...っ、いつになったら麗は...っ」
「言ったでしょ...ここまできたら麗くんが目を覚まさないのは心因的なものだから、僕じゃどうしようも...」
「ふざけんなよ...っ、お前医者だろ!?」
「...俺だって何とかしてあげたいよ...っ」
言い争っているのは、獅琉と山瀬らしく二人の声はどんどん大きくなる。
やめて...喧嘩しないで...
「だめ...なかよく、して...」
掠れた小さな声でそう言ったのに獅琉には聞こえたみたいで、すぐに麗の枕元まで駆け寄って来た。
「麗...っ?」
大きな掌で顔を撫でられてゆっくり瞼を持ち上げると、心配そうにこちらを見つめる切れ長の目が見えた。
「...し...ぃ...?」
「よかった...っ、どこも痛くないか?」
こくりと頷くと安心したように微笑んだ獅琉。
その後ろから顔を出したのは泣きそうな顔をしている山瀬。
「麗くん...っ、よかった...ほんとによかった...すぐに診察するから...っ」
そう言いながら診察の準備を始める山瀬に麗はそっと言った。
「やませさん...ありがと...ぅ」
「...っ...ううん、麗くんが無事でよかった」
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