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32-8にしおりをはさみました!
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32-8
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「いのり...」
「はい?」
「あの...ぼく...さっき、たくさん...いじわる、ごめんなさい」
「えっ、い、意地悪...?」
「ん、ぼくね...いのり、きらいじゃないの...」
「...」
「もう、いのり...ぼく...きらい...?」
「は...そんなわけ無いじゃないですか...っ。」
僕、誰かに避けられたり嫌な目で見られたりするのが...どれだけ怖いか知ってたはずなのに...
いのりのことも、のぞのことも...知らないって、知りたくないって避けてた...
いのり...あんなに悲しそうな顔してたのに...気付かなくて...っ
「ごめ...なさ...っ」
「麗さん、それが言いたくて...僕と来たんですか?」
「...っ、」
突っ立ったまま、半泣きで謝る麗を祈は強く抱き締めた。
「馬鹿ですね...っ、麗さんを嫌いになんてなる筈ないですよ。僕ものぞも麗さんに会えてとっても嬉しいんです。僕たち双子だから、お互いの気持ちは痛い程分かるんです。麗さんと出会ってからのぞは毎日毎日今日は麗さんと話せた、とか目が合ったとか喜んでたんですよ?僕だって同じです。外見も内面も今まで会ってきたどの人よりも麗さんは綺麗なんです。麗さんには人を惹きつける力があります。」
「でもね、ぼく...」
「避けてた事なんて謝らなくていいんです...。むしろ少し心を許すのが早すぎませんか?のぞなんてたかだか泣いている麗さんを慰めただけだし、僕なんて拗ねてただけですよ!?もっと警戒心持ってください...!」
祈の言葉に何故か涙が溢れる。
『早く、二人と仲良くならなくちゃ』って本当は、焦ってたの...怖くない怖くないって...
「怖い時は怖いって言っていいんです。僕たちはそのために来たんです」
祈に抱き締められながら、涙を流し何度も頷く麗。
「あ、りがと...っ」
「ふふ、麗さん泣き虫ですね。また服が濡れちゃいますよ?」
そう言って笑う祈の声は優しい。
「ちょっと二人とも遅くない...って...麗さんまた泣いてんじゃん!」
二人の様子を見に来た希は再び泣いている麗に吃驚している。
「ん、ちょっとね。さぁ麗さん、泣き止んで三人で遊びましょう?」
しー、僕ね...いのりものぞも...大好きになった、よ...
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