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「くしゃみしてるじゃないですか、麗さん。寒いですか?」
「...」
覗き込んでくるパープルの瞳に無言でふるふると首を振る。
「本当ですか?...ねぇ、のぞ、麗さん体弱いって言ってたよね?」
「確か。本当に寒くないの?」
「うん...」
「嘘つき。震えてるじゃないですか。さっきまで泣いてたから涙が服に染みちゃったんですね、まだ少し濡れてます。着替えましょうか。着替えは確か...どこだっけ、若頭に教えてもらったんだけどな...あ、麗さんも一緒に行きましょう?」
一気に喋った祈にすぐに返事出来ずにいると、「あ、そっか」と少し悲しそうに笑った。
「のぞと一緒の方がいいですよね...、のぞ、麗さんの着替えさせてあげて」
「ん?あぁ、俺はいいけど...」
それ以降ふい、と横を向いてしまった祈を見て麗の胸がきゅっと縮んだ。
いのり...心配してくれたのに...僕は...
「じゃあ麗さん行こうか?着替え置いてある場所わかる?」
未だに希の腕の中にいた麗はそのまま抱き上げられそうになる、が麗は咄嗟に希を呼んだ。
「のぞ...っ」
「ん?どうかした?」
「ぼく...ぼく、いのりといく...」
「...え...」
麗はもぞもぞと希の腕から出てぽてぽてと祈の前まで行き、吃驚している祈に手を伸ばす。
「い、のり...?」
「え、僕...?」
「他にいないでしょ」
「じゃあ...一緒に行きましょう?って...ほんとにいいんですか?」
「ん...っ」
はっきりと頷くと希よりも少し華奢な腕に抱き上げられる。
「わ...、のぞ...見て!抱っこさせてくれた...!」
「よかったじゃん」
恐る恐る抱き締めてくれた祈に連れられ、寝室にあるクローゼットの前まで来た麗。
「えーっと、麗さんの箪笥はどれでしたっけ?」
「んと...その、ちぃちゃい、の...」
「あ、これですね。またTシャツ1枚でいいんですか?」
「うん」
着替えるために床におろしてもらった麗だが、一向に服を脱ぎ始めようとしない。
「...麗さん?着替え、お手伝いしましょうか?」
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