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白い天井。にしおりをはさみました!
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白い天井。
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見覚えのある天井がスッと視界に映る。
少し右に目線をずらせば、そこには液体の入った袋。
それはたぶん点滴だ。
寝ているからか、それとも考えている余裕が無いからか、刺された腹部の痛みは感じなかった。
「え、病院…?なんで……?」
あの夜、の置き手紙……。逸人が連れてきたのだろうか?寝ている間に?
「お、起きてるな」
試行錯誤している間にガラッと音を立てて病室のドアが開いた。
「高野先生……?」
「あぁ。お前はイヤイヤ言ったがあの傷で保健室なんかに放ったらかしといて死なれちゃ、俺の今後の人生破滅するんでね。寝てる間に運ばせてもらった」
病院は嫌といったのに。
だって……
「どうしてくれるんです……!?これでもし龍之介や逸人や先生に何かあったらっ…また、俺のせいで……」
高野先生は俺が何を言っているのか理解出来ないらしく、呆然としていた。
でもそんなことを気にしている場合じゃないんだ。
「はやく帰らなきゃ……病院なんて…いたら…ッ!!」
それまで眠っていた体は急に軋むように悲鳴をあげはじめた。
腹部の痛みも、その怒鳴り声によって痛みを増して。
耐えられなくなってベッドに逆戻りした。
あぁ、前も見た光景。
この白い天井が真っ赤に染まるところ……。
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