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EpisodeⅤにしおりをはさみました!
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EpisodeⅤ
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家に着くと先生は
戻ろうとしていたので
家にあがってもらった。
お茶を出して、
一息ついた頃僕は話し始めた。
「オンディーヌの呪い……」
「えっ?」
「知らないよね……」
「知ってるよ」
「えっ?なんで?」
「家にその本あるから」
「そうなんだ…」
「それがどうしたんだ?」
「僕はねオンディーヌの呪いと呼ばれる
先天性中枢性肺胞低換気症候群ていう
病をずっと隠していたんだ……」
「実際にそんな
病があるなんて知らなかった……
えっ、じゃあ寝る時って?」
「ちょっと付いて来て……」
そう言って先生と
綾瀬くんを寝室に連れて行った。
2人共、呆然としていた。
ベッドの横にある2つの人工呼吸器。
机の上に広がる注射器。
ほぼ病院と同じ様な部屋が
目の前にそれも庶民の家にあれば
誰でも驚くだろう……
「ごめん…
ホント…今までごめん…」
綾瀬さんが涙を流しながら謝っていた。
「いいよ、別に……
自分で望んで殴られてたんだから…」
「ホント…すまなかった……」
「今日の事誰にも
言わないでくれるなら許すよ……」
「なんでそんなに隠そうとするんだ?」
「睡眠薬の過剰による殺人事件……」
そう言ったのは先生だった。
「それもあるんですけど、
変に同情されたくないんです」
「そうか……」
「てか綾瀬さんは大丈夫なんですか」
「何が?」
「僕の見方になって……」
「大丈夫だよ、
俺の周りの連中は
気付き始めているから」
「えっ?なんで…」
「お前、あの出来事の事
殆ど分かってなかったから」
「えっ、嘘?」
「でも、お前が必死に犯人のフリを
して居たからそこまでするには
何かしら理由があるんだろうと
思ってたんだ……
でも、その事に気付いた時には
もう後戻り出来なかった」
「そうなんだ…」
「なぁなんでそこまで
犯人のフリをして居たんだ?」
そこで僕は本当の事を話した。
「辛かったよな……
お前一人でよく耐えてきたな……」
そう言ってさらに大泣きする
綾瀬くんに僕は思わず笑ってしまった。
「えっ?なんで笑ってんの?」
「綾瀬くんが大泣きするから」
「まぁ、病気の事は伏せて
周りの奴らには伝えておくよ…
バレちゃいけねぇから
水面下で動いてもらうけど」
「ありがとう…」
「お前にここまでの事をしたんだ。
手助けぐらいはするよ……」
「嬉しい…」
「でも、あの転校生は注意しておけよ。
アイツはきっと亜留の方に付く…」
「分かった…」
「んじゃ俺そろそろ帰るよ」
「では私もそろそろ…」
「分かった。
ありがとう…先生、綾瀬くん」
「さん付けからマシにはなったけど
俺は、綾瀬 夜鶴、忘れてそう
だからもう一度自己紹介しておくよ。
後、なるべく呼び捨てで頼む」
そう言って先生と夜鶴は帰って行った。
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