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過去_6にしおりをはさみました!
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過去_6
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やっとの思いでトイレに辿り着き、全部を出し切ったら力が抜けてしまった。
そのまま便座に座り込むと、さっきの汗が冷えて体がひんやりする。
カチャリ
「ひいっ」
ノックもなくトイレの扉が開けられる。
そんな事されると思っていないから喉から空気を吸い込む音がした。
「次は風呂だ。洗い方教えてやるからさっさとしろ。」
引っ張り出されて倒れ込むように、隣のシャワールームに連れ込まれる。
ザーザー頭からお湯をかけられて、至る所をゴシゴシ擦られた。少しでも抵抗しようものなら平手打ちが飛んでくる。
「…どうして…」
お湯は熱いくらいの温度で室内はエアコンで調節されているから寒いはずも暑いはずもないのに、震えが止まらない。
「躾だよ。オマエ反抗期みたいだし。いずれカオリの代わりにするつもりで引き取ったんだからな」
「ぼ、僕は、男です。あんな…」
先日の夏彦と彼女の行為を思い出して吐き気がしてくる。
「あんな娼婦みたいな真似はできないってか?オマエは男だから男娼だな。色も白いし顔も女みたいだし、高く売れるようにしてやるよ。」
ニヤニヤしながら見下ろす夏彦が気持ち悪い存在にしか見えない。
ポイっと投げられたバスタオルにくるまってガタガタ震える僕を鼻で笑い
強引に腕を引っ張られて部屋に戻された。
「まずはフェラからだな。口開けろ。」
倒れたままの僕の唇の目の前に夏彦の半分立ち上がった性器が差し出される。
顔を背けると、髪の毛をまとめて掴んで顔を上げさせられた。
「い、いたっ」
「オマエさぁ、僕に逆らうつもりなの?学費も生活費も交通費も全部親父に払ってもらってるだろ。借金してる訳だよね。借りた金には利子がつくんだよ。返し始めるのは早い方がいいだろ。だからってオマエの高校はアルバイト禁止だ。だから協力してやろうとしてるのにその態度はなんだよ。」
ブチブチと音がして、髪の毛を掴んだ手に髪の毛が絡まる。
それを見ているとドカっと背中に衝撃が走った。
その衝撃は何度も続いて息もまともに吸えなくて、ごほごほむせてしまう。
そんな事おかまいなしに背中を蹴られ続けて起き上がる気力が失われていく。
畳に埋め込むかのように頭に足が乗せられて踏みつけられる。
「それとも、もっともっとカオリに無理させて払ってもらうかぁ?」
笑っている…
この鬼は他人の人生をねじ曲げ、人を踏みつけて、楽しんでいる。
こんなの、こんなの、おかしい。
「オマエさえいなければカオリもこんな事にはならなかったのに」
その一言は、僕を動揺させた。
僕がいなければ、彼女は普通に生きていけたんだろうか。
僕がいなければ、夏彦はこんな顔をしなかったんだろうか。
ヒュッ、
風を切る音が聞こえた次の瞬間
バシン
と背中に痛みが走った。
「ひっ」
恐る恐る横目で夏彦を見上げると、僕の頭に足を乗せたまま黒い何かを振り上げていた。
バシン
音がすると背中が焼けるように痛んだ。
「逆らった罰だ。たっぷり鞭をくらわせてやるよ」
バシン、バシン
笑いながら振り下ろされる鞭と、背中の皮膚が切れる感覚だけが続いていく。
鞭の音が恐いのか、彼女は部屋の隅で小さくなっていた。
こっちを見ないでいてくれればいい。
僕の情けない姿を見ないで欲しい。
もっと力があれば、こんな事にはならなかったのに。
彼女が僕なんて産まなければ、こんな事にはならなかったのに…
ごめんなさい。
産まれてきてしまってごめんなさい。
「ごめん、な、さい…」
僕にはもう逆らう気力が残っていなかった。
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