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記憶にしおりをはさみました!
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記憶
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夕暮れ、薄暗い室内が一層暗くなる頃。
彼女は何事かわめきだす。
その部屋で夕飯を食べるのが日課になっていた僕の耳には嫌でも聞こえてくる。
足首が痛いと、狂ったように叫び続ける。
それは到底ヒトの物には聞こえなかった。
裏手は山で、その先は海だから、どんなに叫んでも住人が気付く事はない。
僕も毎日のその叫びに付き合っている時間はないのだ。
夏彦が帰宅し、扉を開けて入ってくるまでに支度を終わらせなくては酷い暴力に遭う。
その恐怖心が僕を萎縮させ、そんな自分に苛立つ毎日。
前夜に仕事をさせられたんだろう。
いつもより痛み方が酷い。
普段なら準備を終えてシャワーから出てくる頃には大人しくなっているのに。
身につける物として渡されているバスローブのポケットから薬を取り出す。
彼女は夏彦と父親の相手をしない代わりに客をとらされていた。
平日の深夜に行われる事が多く直接目にする事はなかったが、下着姿の彼女はその傷を隠す事もしない。いや、できないのかもしれない。
「しゅうちゃん、しゅうちゃぁーん」
泣き叫ぶその声にギクリとして振り返る。
うつ伏せになったまま畳に額をこすりつけていた彼女の瞳が濡れていた。
「…ろして…殺して」
毎日繰り返し僕にそう言い、泣き喚く。
この生活の半分は彼女の為だというのに。
ため息をつきながら少し量を減らした薬の瓶を差し出す。
「大丈夫だよ。お薬飲めば落ち着くよ。」
聞こえてはいないだろうけど声をかける。
顔を上げた彼女の目にはいつも何も映っていない。
その表情を見ると虚しくなる。だから見ないようにそっと渡す。
ザラザラと薬を飲む間、足をさすってやる。
これだけが僕と彼女の触れ合う時間だった。
「準備できてるんだろうなぁ」
手渡した直後、後ろから髪を掴まれて後ろに仰け反る。
その瞬間に鬼の帰宅を知った。
今日も地獄が始まったのだ…
「…っ、は、い。」
「勃たせろ」
春が過ぎ、もうすぐ夏休みがやってくる。
毎年楽しみにだったはずの長期休暇は、今や苦痛でしかない。
学校という逃げ場がない毎日はどうやって過ごしたらいいのだろう。
ズボンから取り出し、口を寄せると汗と体臭の混じったイヤな臭いがする。
表情に出せば殴られる事を覚えた僕は無表情を装って舐め回すと、みるみる凶悪な形になる。
「ふんっ。旨くなったもんだ。流石は淫売の子供だな。」
後頭部を強く押え込まれて喉の奥に突き立ててくるモノに歯が当たらないように意識する。
「うぐっ、ぐっ、うえっ」
どんなに苦しい声を上げてもやめてもらえる事などないのだ。
それを知っているから、できる事なら声を出したくない。
生理的な音でさえ喉から出るのは不本意だった。
バスローブをはぎ取られて、乳首を摘まれる。
指でつねって引っ張り上げられ、強い力でぐりぐりとこね回される。
夏彦が僕の性器を足で擦るとソレは条件反射のように反応を示す。
春から数ヶ月こんな生活を続けている体は、行為そのものに慣れつつある事を自覚する。
「興奮しやがって、この淫乱が」
「ぐっ」
夏彦の足が立ち上がりかけた僕の性器に力を入れる。
ぬるぬるした先走りが溢れて、こんな事で勃起しようとする自分に嫌気がさす。
そうならないように口での作業に意識を集中する。
「もういい。いれてやるよ」
いれて欲しくなんてないけど、そうしないと終わらないのだから仕方ない。
四つん這いで背中を向ける。
「…お願い、します。淫乱で汚い孔に、挿入、してください。」
パシーン、パシン
「ひいっ」
事前にローションを仕込んである後孔にずるり、と挿入されるのと同時に鞭が振るわれる。
仰け反ると深く突き刺さって苦しい。
痛みが脳を刺激して勃ち上がる自分の性器。
身勝手に腰を動かす夏彦。
「ふっ、ぐうっ…ううっ」
内臓が引きずり出されるような感覚がしばらく続いた後
じんわりと体が快楽を求め始める。
「どうしようもない淫乱だな。これは罰だって忘れるなよ。汚い存在のオマエに存在価値を与えてやれるのは僕だけなんだからな。」
激しく突き上げられて体の奥底までもが犯される。
「くふっ、ふうっん…」
めまぐるしい振動が与えられて防御の隙もない。
この瞬間がいやでいやで仕方ない。
自分の体が自分の意志とは関係なく反応し
汗や唾液、先走りまでもが溢れ始める。
こんな屈辱と蔑みの中だというのに。
鞭を与え続けながら夏彦が体内で果てて、生暖かい感触が広がる。
それは体の中に憎しみを流し込まれるているような行為。
その憎しみが少しでも薄まってくれるといい。
こんなに荒んでしまった夏彦が兄である事に変わりはないのだから。
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