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may.15.2016 一年に一度 3にしおりをはさみました!
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may.15.2016 一年に一度 3
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いい香り・・・朝だ。
グッと腕に力を込めたがいつも感じる存在はなく、シーツの上にある腕が心もとない。うっすら目をあけるとヒロの姿がなく、あ~シャワー浴びてるいのかとようやく目が覚めた。ヒロがコーヒーをセットしてシャワーを浴びる。その香りにつつまれて目をさましてベッドから這い出す。土日の朝はこうして始まり、一人でいるよりもずっと楽しい時間が流れる日。
マグにコーヒーを注いでソファに座ろうとリビングに向かうと、テーブルの上に紙がある。書置きってやつだ・・・おいおい、まさか「探さないでください。」的な絶望系じゃないだろうな。
『ちょい出かけてくる、昼過ぎには戻るから。』
出掛ける?そんなこと一言も聞いていないし。俺を一人残して出掛けるなんて今まで一度もなかったじゃないか。
こういうことかよ・・・。ようやく理解できた。
何回か寝た男が俺のスケジュールを気にしだして、一気に面倒臭くなって疎遠になることを繰り返してきた。別に約束していたわけではないから、自分の時間は自由に使っていいものじゃないか。ちょっと寝たくらいで彼氏面するなっての・・・俺はそう当たり前に考えてきた。
だがどうだ?ヒロが居ないというだけでザワザワしている。朝起きたらベッドはもぬけの殻で何も聞いていなかった用事を足すために出かけて行った現実。誰かと逢うのか?単純な買い物か?苛々する自分を止められない。これが束縛ってやつで俺が散々馬鹿にしてきた感情。
「くそっ、情けない。」
書置きには「昼過ぎに戻る」と書いてあるし、ちゃんといつものように俺の為にコーヒーをおとしてくれた。だから俺が心配するようなことは起こらないだろう・・・そう言い聞かせる。
束縛を打ち消すのは相手への信頼だということを今更悟った。ヒロは俺以外のところに行くはずがない、大丈夫。そう鷹揚に構えるメンタルを身につけなくちゃいけないな。
「嘘をついていないから楽なんですよ。」キイはそう言った。確かにそうなんだけど、そうなんだけど、なんだかな~。
「まじか!俺はガキか!」
ウ~~ンと伸びをしていると一番大事なことを忘れていることに気が付いた。
今日はヒロの誕生日。メソメソ自問自答している場合じゃない!
「まじか!俺はバカか!」
急いで浴室に向かい活動を開始した。
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