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今日が明日に変わって明日が今日に変わった 3にしおりをはさみました!
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今日が明日に変わって明日が今日に変わった 3
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「あのさ、牧野。」
「なんだ。」
今は昼食タイム。もちろん、俺たちはいつもの様に食堂でご飯を食べている。牧野が定食Bで、俺はAランチ。
「牧野って、和食が好きなの?」
いつも定食ばかり頼んでいる牧野。その様子を見てきてずっと気になっていたことだ。牧野は、一度考えてから答えた。
「考えたこともなかったな。」
「はあ。」
なんだ。ただ何となく頼んでただけか。
そう考えていると、牧野はニヤリと笑って続けた。
「ランチばっかり食べてるやつと比べると、太りにくいかもな。」
「え。」
今のは?!
今のは、牧野なりのジョークってやつ?
え? 俺はどんな反応をすればいい?!
「ちょ、牧野それって俺デブになるってことかよ。」
とりあえず、笑ってかわしてしまった。
「さあな。」
牧野はもとの顔に戻って味噌汁を飲んでいた。
ああ、もっとリアクションすれば良かった。
「ねえ、牧野。」
「なんだ。」
牧野から話してこないため、必然的に話をしたい俺から話す雰囲気になっている。でも、何を話せばいいのかわからないので、さっきからずっと牧野に問いかけている。それでも、嫌な顔ひとつもせずに淡々と答えてくれるのは、彼なりの優しさだろう。
「牧野、どうして俺と友達になってくれたの?」
この問で最後にしようと決めていた。
牧野は、箸を止めた。そして、固まっている。
「牧野?」
俺は不思議に思って再度牧野に問いかけた。だが、答えは返って来ない。
「気が、向いただけだ。」
しばらくしてからそれだけを答えると、よそを向きながら止まっていた箸を動かし始めた。
「そっか。」
俺は、もっと問いかけたくなった。けれども、牧野には嫌われたくなかったため、開いた口をキャベツの千切りで埋めた。シャキシャキと、口の中で噛まれるキャベツ。
牧野は、何もなかったかのように定食を食べ始めた。
気が向いたって、どういうことだろうか。
俺は、その気が向いた原因を知りたいのに。
聞きたい。でも聞いたらダメな気がする。
もう少し、仲良くなったら教えてくれるだろうか。
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