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七夕 2015-1side獅琉にしおりをはさみました!
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七夕 2015-1side獅琉
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年に一度、織姫と彦星が出会う七夕の日。
いつだったか麗に織姫と彦星の話を聞かせてやると、愛し合ってる2人が会えないのは可哀想だと泣いていた。
しかしその後優しい麗が涙を流すのを慰めながら、「短冊に願い事を書くと叶う」という話をするとすぐに機嫌を直したのだが。
それから麗は七夕の日が来る度に短冊を書きたがった。
「しー...おねがい、する...だめ?」
そんな風に麗に強請られて獅琉が断れる筈もなく、毎年麗に短冊を書かせてやっていた。
勿論読み書きの練習をまともにしたことがない麗の短冊は麗にしか読めないものとなっている。
でもコイツのことだから《しーとずっと一緒にいれますように》とか書いてるんだろうな。
そんなこと、星に願わなくても俺が叶えてやるのに。
そしてその短冊は獅琉の家の軒先に小さな七夕飾りとして飾られるのだ。
極道の家に不似合いなその笹の木は、最初こそ部下や訪問客たちに不思議がられていたが、それが5年6年と続くと誰も気に止めなくなった。
今年も七夕の季節がやって来た。
部屋に篭りっきりの麗は季節を感じることができないため、獅琉がそれとなく七夕の話をしてやる。
「麗、もうすぐお前が大好きな七夕だぞ」
「たなばた......たんざく...おねがい...」
「今年も書くのか?」
「ん...っ、かく...!」
今年はどんな願い事するんだろうな。
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