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「うーん..あうっ」
起きた時は翔太さんは居なく、保健室のベットだった。
翔太さんが後始末してくれたんだろうか。
良かった...なんて俺から誘っといてこんなことを言うのは失礼だろうか。
でもきっと顔を見ると引き止めたくなる。
"あの悲しいそうな顔はなんですか?"って。
「あいてててっ...ぐふっ」
ベッドから立とうとすると、腰の痛さに驚く。
なんか風香が言っていたような...。
「博一!大丈夫かぽよー!」
「お、おお」
こんなシリアスな感じなのにこいつはブレないな。
いつも通りの風香に少しホッとする。
「おー、おでめとさんなんだぜ!」
「ばっかやろう!」
ばしっと風香の頭を叩くと「いてっ」と言いながら笑っていた。
こいつ..!全部知ってんだろ!?なにニヤニヤしてんだよ!
「博一くん、痛いんだぜ...。あ、翔太先輩とはどうだった?」
「翔太さんとは..」
言葉が出ない。
正確に言えば、喉に詰まった。
ちゃんとした告白もしてないのに『諦めて』と言われてしまったこと。
そして..."ごめんな"という言葉。
「うん...。大変だったんだな。お疲れ様」
「っるせ...ばーか..」
風香は、ポンと優しく俺の頭を叩くと、保健室を出て行く。
なんでこういう時だけ、勘が良いんだよ...。
優しくすんなばーか。
「あぁ。大変だっだよ」
俺の独り言は、静かな保健室に響いた。
そういえば、どうして翔太さんを好きになったんだっけ...?
確かきっかけは、俺が中学2年の時だったような...
反抗期ということもあり、俺はかなり荒れていた。
すぐに親の大切さに気づいたんだけどな。
でも、やっぱり友達と遊ぶのはやめれなくてある日の夜、久しぶりに外にでた。
久しぶりだったからか、まして勉強のしすぎだったのか、喧嘩が弱くなってたんだよなぁ。
『おいおい...弱っチィな..俺たちといいことしちゃう?』
ギャハハと下品に笑うやつらを見て、本気で鳥肌がたった。
その時に助けてくれたのが、翔太さんだった。
俺が翔太さんに惚れたのは単純な理由だ。
かっこよくて、憧れだったから。
そん時の俺には、恋とかよくわかんなかったから、気にしてなかったけど翔太さんが他の人と仲良くしてるのを見て、心が痛かった。
きゅうっと、締め付けられてる感覚だった。
それで俺は気づいた。
「翔太さんが、好き...だってことに...」
でも、もう届かないし、無理な話なんだなぁ..。
だけど、好きでいる事は自由なんだ。
それでも翔太さんの事をまだ好きでいると、俺の胸は苦しくなって、息がしにくくなって、涙が出そうになる。
翔太さんが言った『ごめんな』の意味が分からない。
往生際が悪いけど、すぐに諦めれない。
「はぁ...」
女々しい自分に深くため息を吐いた。
図々しいにも程があるよなぁ。
「ん〜...!よしっ!」
のびーと、背伸びをして、保健室を出る。
忘れよう、きっと楽になれる。
自分でも思ったけど、今日の俺はおかしい。
恋って大変だなぁ....。
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