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No.37/モブ男にしおりをはさみました!
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No.37/モブ男
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「いや。能戸は俺がお前を好きな事知ってるけど…。」
「えっ!!」
ウソだろ…キイチはオレにそんな事言わなかった。泊まった時、何にも言わなかった…。
「どうしよう…嫌われたかもしんねー…。」
手の中のハンカチを見詰める。キイチは遊園地で濡れた髪を拭いてくれた。
オレはキイチの気持ちを聞いたくせして自分の気持ちすら言ってねえし。その上京平がたとえセフレとしてだろうとオレを好きって知ってるとか…。
いや、距離を置くって決めてるんだから嫌われたって…。
「うう…、」
「真琴?」
「イヤだ。」
嫌われたくない。本当は友だちになりたい。
バッて顔を上げて隣を見る。
「京平!オレがセフレってキイチに言ってもいいか?」
「はあ!?いや、駄目だろ。セフレじゃねえし。さっきからその誤解は何なんだ。」
セフレじゃない?誤解?
京平はびっくりした顔でオレを見てる。オレもびっくりした顔で京平を見返す。
「え、…じゃあなんだろ…なんて言ってキイチに話したらいいんだ…。」
「……お前、何をどうしたいんだ。」
「キイチと友だちになりてえけど京平がセフレの事を知られるのイヤだろうから、距離を置くって決めてて……でもやっぱり友だちになりたい!」
はぁ…。隣で溜め息吐かれた。
「真琴はセフレじゃなくて俺の本命。能戸はそれ全部知ってるから心置きなく友達になれ。…さすがにあいつも友達希望の奴に手を出したりしねえだろ。」
「……本命?ってなんだっけ。」
本命てあの本命チョコとかの本命?まさかなー。…違うだろうなぁ。じゃあなんだろ。
あ、キイチには後でオレの気持ちを言いに行こう。そんで嫌われるなら仕方ないと思うし。
「はぁ…何度目の告白だよ。もう恥ずかしいからいい加減きちんと聞いてくれ。」
ハンカチを握り締めてた両方の手のひらを、京平の手のひらが包む。さっき繋ぎたいと思った手のひら。
ほんのりあったかいし、触れられたとこから別の熱がじわじわ上ってくる。
近くにあるカッコいい顔。じっと見つめられると痛いくらい胸が高鳴った。
「俺は真琴をセフレだと思った事はねえし、本気で好きだ。出来れば付き合いたいし双子に渡したくない。女にだって目を向けてほしくはない。」
オレも本気で好き、付き合いたい…。
ぼうっと膨張する意識。
「真琴は特別な人だ。」
京平は特別な人…。
その瞬間。
ぶわあっと、熱が身体中に拡がった。
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