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18歳以上ですか?
12にしおりをはさみました!
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12
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昨晩用意していた服に着替え、鏡で確認する。
髪をワックスで無造作にセットして、ミニショルダーバッグを肩に掛け蓮が来るのを待った。
時計の針が10時を回った頃携帯が震え、足音を立てない様に靴を履いてドアを開ける。
目の前には、モデルかい!!と突っ込みたいほど、オシャレな連が居た。
「おはよー。わぁ…いいね、尚の服。似合ってる」
ちょっとした誉め言葉でも嬉しくて仕方ない。胸がキュッとなる。
「そうか?」
梅雨に入り、ジメジメした蒸し暑さが続いていて、今日は明るめな色を選んだ。
青のロングのチノパンに、茶色の網目の荒いベルトを通し、五分袖の黒いシャツの上から無地の白い半袖を重ね着したシンプルな服装だ。
白のシャツの下から黒のシャツが結構見えて、俺はこの服装を気に入っていたりする。
「うんうん、オサレだねー」
「破壊級のお前に言われても嬉しくねぇよ」
「え?どう言う意味?」
「ほら、行くぞ」
まだ寝ている隼人に、心で行って来ますと伝えると寮から出て行った。
「ねぇ、どう言う意味?」
気になって仕方ないのか、腕を引っ張ってしつこく聞いてくる。
「知らなくていいよ。ムカつくから」
「えー?気になるよ」
離す気配のない蓮の手を振り払った。蓮が掴んでいた腕の場所が、少し熱を持つ。
何、今更意識してんだか。今までなんとか普通で居られたのに。
「蓮の方がかっこ良くてオシャレだから、お前にオシャレって言われてもムカつくだけなんだよ!」
「わっ…。尚が怒鳴った」
「突っ込む所はソコかよ」
「うは、でもうれしー。尚にかっこいいって言われちゃった」
「よかったなー。俺に言われて」
棒読みで言ったのに、蓮は嬉しそうに笑ってる。
「今日は忘れずに外出届け持ってきた?」
尋ねられて、ハッとする。
また、忘れた。
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