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ー葛藤ー 蓮sideにしおりをはさみました!
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ー葛藤ー 蓮side
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高校に進級して直ぐ、尚は誰かに告白されていた。
中庭で日向ぼっこしていた所に、尚とその男の子が話しているのが見えて、距離も近く、聞くつもりはなかったけど話し声が丸聞こえだった。
その時、尚は、
『好きな人がいるから』
そう言って、断っていた。
この告白現場を見なかったら、俺は気付く事はなかったと思う。
尚の好きな相手に嫉妬している自分を。
あんな場面に出くわす事がなければ、ずっと友達として尚の側に居られたのに。
好きという気持ちを自覚すると、おかしな事に普通では居られなくなっている自分がいた。
尚と話すだけでもドキドキして、意識していないのに口元を見てしまったり、キスしてみたいと思ってしまったり、好きな相手は誰なのかと、尚の視線を追ってみたりと切りがなくて。
終いには、尚を自分だけのものにしてしまいたいと思う様になり、何か仕出かす前に尚から距離を置いた。
このままでは、尚との関係が崩れてしまう。
そうなる前に他の誰かを見つけなければと、俺はちょっといいなと思った相手に告白してみたりした。
尚への気持ちを打ち消したくて、毎週誰かに声を掛けている俺は軽いと言われ振られ続けていた。
相手も出来ず、尚への気持ちは膨らむばかりで、俺に対して普通な態度の尚にヤキモキした。
だから、最初は少しでも俺を意識して欲しくて、告白した金曜日と次の土曜日には必ず尚に報告し、次に告白する相手の準備に付き合わせた。
でも、後半からは、尚への当て付けに変わっていた。
いや、もしかしたら最初からかもしれない。
何度も何度も同じ事を繰り返し、尚の居る教室に足を運んで、次の金曜日も、そのまた次の金曜日も。
尚の反応が見たかったんだ。
でも、何も変わらなかった。
澄ました顔で、当たり前の様にまた振られたんだろって言う。
気付いて欲しいのに、気付かないで欲しい。
俺の行動が矛盾しているのは解ってる。
解ってるからこそ、早く恋人が欲しかった。
きっと、この気持ちを忘れられる。そう思ったから。
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