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南城学園は、門を潜って右側が高等部、左側が中等部になっている。中等部と高等部の間には庭があり、その中心には人が泳げる程大きな噴水が設置されていた。
中等部と高等部の憩いの場でもあるが、南城学園では告白スポットになっていて毎日誰かがそこで愛の告白をしている。
尚も、ここで男の子に告白されていた。
俺も良くこの場所を利用している。
今日も、告白するために仲谷冴を呼び出した。
「あの、中島先輩…何でしょうか?」
「えーと、付き合ってくれるかな」
この子で告白した相手は何人目だろうかと考える。
ここ一ヶ月は思い出せるけど、後は全く覚えていない。数えきれなかった。
「あのっ…」
彼の顔は紅潮し、肩をふるふると子犬の様に震わせて目を彷徨わせる。
両手を合わせて暫くモジモジした後、勢い良く顔を上げた。
この様子じゃ、また振られるかもしれない。
「やっぱり、ダメかな…俺じゃ」
恋人を作れば尚への気持ちも薄れるだろうと思っていたのに、ずっとそれが叶わなかった。
でも、彼は笑って
「あ、いえ!!とんでもないです!僕も中島先輩の事気になってました!嬉しいです!!」
そう言ってくれた。
今日、初めてOKをもらう事が出来た。
嬉しかった。
これで、尚と普通に友達として側に居られると。
これで最期。
今日から気にせず、週末だけじゃなくていつでも話したい時に尚と話せる。
でも、俺は解っていなかった。
本当に好きじゃない相手と付き合う事がどう言う事なのかを。
中学生時代の時みたいに、普通に尚の側に居られると思っている事自体、間違っていたんだ。
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