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何でもない。にしおりをはさみました!
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何でもない。
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…あれ。
…何か…身体が、変だ。
左手…左足…上手く、動かない。
身体半分はあったかいのに…
半分は…何も感じない。
…半分だけに…なっちゃったみいだ。
…動けない…立てない…。
なんで……。
誰か…。
…誰か…いないのか…。
…誰か………
『菊池!!!』
「っ!!!」
…。
……。
「…はぁ…はぁ…っ。」
………夢…?
「どうした菊池?何か今日元気なくね?」
午前の授業が終わり、昼休みに入ると、松田が心配そうに俺に尋ねてきた。
「…そうかな。」
「んー……多分!ねぇと思う!」
「多分かぁ。」
…春夏冬にも、朝言われたんだよなぁ。
何でもねぇって言っといたけど。
…まぁ、理由なんて一つしかないわな…。
「…あ。そうだ松田、今日も弁当?一緒に食う?」
「あー悪い!弁当は弁当なんだけどさ、俺と早瀬、今日野球部の集まりあんだよね。」
「えっ?お前らもう入部したの?」
「言ったろ?俺らスポ薦だって。この学校入ってから、もう入部してたよ。」
「あぁ、そっか…そうだよな。」
「だから悪い!今日は三人で食ってくれ。」
「おう。わかった。」
すると、早瀬が教室のドアを開けて、「松田。早くしろ。」と言って待っていた。
松田は「そんじゃな!」と手を上げ、そのまま早瀬と教室を出て行った。
「俺、今日は購買だから。」
「うわっ!!び、びびった!」
いきなり背後から春夏冬が声をかけてきたので、思わず叫んだ。
「…うっさ。」
「うっさいじゃねぇわ!背後霊がお前は!」
「んなわけねぇだろ。」
春夏冬はそう言って、心底呆れたような目を向けてきた。
…ほんっとにムカつく…こいつの顔ムカつく態度もムカつく。
…でも。
「当然ですよ。」
昨日の言葉…は、ちょっと嬉しかった…つーか。
…………ん!
……いや?いやいや嬉しいじゃなくて!
……びっくり…?そう!びっくりしただけだうんうん!
「…また赤…。」
「あ!?何!?」
「…いや、お前ってその分かりやすいのどうにかなんねぇの。」
「はぁ?何の話だよ。」
「…いや、何でもございません。」
…何なんだよ。
…てか何か最近、春夏冬と上手く会話が噛み合っていないような気が…。
「つか聞いてた?さっきの。」
「え?…あぁ、今日購買なんだっけ。」
「そ。だから四人……って、そっか。松田達は、今日何かあるんだったな。」
「そう。だから…今日はくじらと二人だな。」
昨日はあんなに賑やかだったのに、一気に人数減ったなぁ…。
…まぁしょうがないよな。
「…。」
「…? 何?」
「…いや、何でもねぇ。」
「…何なのお前?最近そればっかだけど。」
昨日も…いや、昨日だけじゃない。
最近、よく話をはぐらかしている気がする。
「…別に、何でもないもんは何でもない。俺購買行ってくる。」
「…。」
何となく…何となくだけど…。
あいつ…くじらの話になると、様子がおかしくなる。
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