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眠れる森(1)にしおりをはさみました!
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眠れる森(1)
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背中に走った赤を撫でながら、葵(あおい)が掠れた声で呼ぶ。
「千早(ちはや)」
ややあって、枕に顔を埋めていた青年が顔を上げた。
「…ん〜……」
千早と呼ばれた青年は形のいい漆黒の瞳を眇め、剥き出しの身体を猫のようにしならせる。と、同時に、白い背中に走っていた無数の引っかき傷は、まるで存在すらしていなかったように白色に消え失せた。
「あ…傷、消えちゃった」
「ほんと?残念」
少しも残念そうではない声で言い、千早は隣にうつ伏せる葵にのしかかる。
「ごめんって言おうと思った矢先にこれだもん……ぁ…」
「葵は変だね。傷をつけて、その度に謝ろうとする。俺が傷つけていいよって、そう何度も言ってるのに」
「ゃ…ぁん…」
首筋をやわやわと甘噛みされる感覚に葵は身をくねらせる。ちろりと長い舌をのぞかせ千早は言った。
「いいよ」
「今度こそたくさん、言わせてあげる」
♢ ・ ♢ ・ ♢・ ♢
葵と千早は同じ学校に通う高校3年生だ。
都市部に近く、様々な場所から人が集まる有名私立高校。混沌とした空間が色欲を生産する機関となるのはよくある話である。ふたりもまた、例に漏れずそれらを消費する生徒のうちの一人だった。
「先輩…ちはやせんぱ……あ、ぁあん…」
腹の中をかき混ぜられながら、先ほど知り合ったばかりの少年が鳴く。雄叫びにも似た悲鳴が上がるのは屋上だ。ここなら誰にも邪魔されることはない。侵入してくる人間といえば、一人だけである。
「あ…―・・・あ、あああっ……」
長い絶頂の末、飛び散った少年の精液が白い肌を汚す。べとべととした、塩辛い白濁を舐めとりながら、千早もまた熱くうねる腸の中に射精した。
「…ぁ…あん…」
ずるりとペニスを取り出しティッシュで軽く拭うと千早はすぐに身なりを整える。ゴムをしなくていいと言ったのは少年のほうからだった。千早にとってもそのほうが都合がいい。彼がこの後中に吐き出された精液をどう処理するかということは千早にとって全く問題ではなかった。何故なら彼はすぐに自分に食べられてしまうからだ。
釦を留めようと踊っていた指を千早は怜悧な笑顔でもって止める。その瞳には先程までとは比べ物にならないほどの熱い温度が秘められていた。少年はそこに、絶望と、それから腰が怠く痛むような熱を垣間見た。千早は止めるどころか、閉じられたばかりの首元の釦をぷちぷちと外し、少年に疑問を抱かせる暇も与えないまま、いまだ情事の熱が残る喉に一気に食らいついた。
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