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苦痛の始まり by湊翔にしおりをはさみました!
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苦痛の始まり by湊翔
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真っ暗で、何もなくて、ここはどこだ?俺こんなとこで何してんだろ。早く帰んないと。響也が心配しちゃう。
そう思って、暗闇の中をゆっくり歩き出す。光も何もない。
なのに突然、前方が微かに明るく光り始めた。きっと響也がそこに居るんだ。なんだか懐かしい気持ちになって駆け足でその光を目指す。
やっと着いた。やっと、俺がこの世で1番好きな人に会える。
そう思ってた。なのに、なのに
着いてみると、背の高い女性と男性が立っていた。
2人は俺の方にゆっくりと向きを変える。
そう、とても歪んだ笑顔で俺を嘲笑いながら...
やめて、やめてくれ、こっちを向かないで!!
怖い、怖い、助けて響也!!
「...ハッッ?!」
真っ暗で怖い夢を見て俺は飛び起きた。
すると体が後ろに引っ張られ、その直後に喉にものすごい圧迫感が押し寄せた。
「うぅ...ゴホッッゴホッッ!」
喉が苦しい。息がしづらい。
ここで俺は自分の首に首輪が付いていることに気がついた。
黒い革の首輪で、チェーンによってベッドと繋げられていた。
「やぁ、よく眠れたかい?」
まだきちんと状況理解がしきれていない俺の前に夢の中で見た男が現れた。
そうか、俺あの時なにか吸わされて...
「逃げられるのは困るからね、眠ってもらったよ。それに、起きたとき逃げないようにと思って、首輪も、ね?それにしても想像以上に似合っているじゃないか。」
愉快そうに男が俺を見てケタケタと笑う。
「ふざけんな。これ取れよ。こんな所に居てたまるか。」
これ以上ここに居ては危険だと俺の脳が危険信号を出している。
「それは無理な頼みだね。それと...今日から君は俺のペットだ。だから、発言には気を付けた方がいい。痛くされたくなければね。と言っても、今から嫌になるほど痛くされるだろうが。」
そう言うと男はまた俺を見て笑みを浮かべた。
「痛くされるって、どういうこと...」
「君のお母さんが言ってただろ?君を躾して欲しいって。俺はそれを実行するだけさ。」
「はぁ?!あんな女が俺の母親なわけないだろ?!ふざけんっっ、うっ、はぅっっ」
俺が男に反論した途端、男が俺の首を力一杯握り締めた。
「ひぅっっ、やめ、はなし...ゴホッ」
「発言に気を付けろと言ったはずだ。主人との約束を守れないなんてほんとに躾がなってないね。」
俺を冷たく見下ろしながら男がいう。
「あら、仲良さそうで良かったわ。」
俺が咳き込んでいるとあの女がやってきた。
「なかなかの上玉だからね。久しぶりに楽しくなりそうだよ。」
「上玉だからって勝手に売ったりしないで頂戴ね?それじゃつまらなくなってしまうわ。」
「わかっているよ。」
「そして湊翔、あなたも私と同じ苦しみを受ければいいわ。...あと、このネックレスは預かっておくわ。場合によっては捨てるかも。あなたにはその首輪の方がお似合いよ?ふふふっっ♪」
そう言い捨てて女は出ていった。
女が出ていったことなんてどうでもいい。
あのネックレスは、あれだけは...。唯一、俺と響也とがどこにいても繋がっていられる物だったのに...。
響也と俺との繋がりが切れてしまったような、そんな気がして一気に心が空っぽになった...。
響也という俺の心の支えが消えた今、俺はこれからここでどうして行けばいいのかわからない。
助けて...。
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