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ぎわくのゆびさきにしおりをはさみました!
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ぎわくのゆびさき
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*・*・*
「……。」
(い、行きづらい…)
正門の近くまでは来た。緒方の姿もちゃんとあった。けど、緒方の様子が…
(……。)
目線を泳がせたり、ブレザーをぴしっと伸ばしたりそわそわ落ち着かない
まぁ、木陰に隠れてこそこそ観察してる俺もだいぶ怪しいけども…
あ、前髪まで整え出した。どーすりゃいいんだ、俺は…
「はぁ…」
(…行くか、誰か来る前に)
…緒方が前髪を整え終わったのを確認し、こつんっ、と大きめに靴音を鳴らして近づく
それに気付いた緒方がぱっとこっちを向いた
「…わり、待った?」
「ううん、大丈夫…!」
「「……。」」
「…水堂君の家、あっちだよね!?」
ふいに、緒方が俺ん家の方向を指差した
「…ああ、緒方もそうでしょ?」
「…うん。と、途中まで…」
「いいよ、行こっか」
「……うん」
…
(ん…?)
…1つ、おかしなことに気付いた
緒方が、指差していた方向はここ正門の道沿いじゃなかったこと
”俺ん家”を、ぴったり指していたこと…
「…ねぇ、緒方」
「んと…何?」
「…いや。何でもない…ってことで」
「…?」
…何で、俺ん家知ってんの?
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