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きゅうじゅうさん。 三日月sideにしおりをはさみました!
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きゅうじゅうさん。 三日月side
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これ以上嫌われたくないのに。
泣いちゃ駄目だって、怒られるって…嫌われるって分かっているのに涙が溢れて止まらなかった。
ゲン兄、ごめんなさい。
言いたいことはたくさんあるけど今はこれが限界だった。
脱衣所から出て行こうとしたらザバッと大きな音がして、ガッと腕を掴まれた。
「待った、ミカ。ごめんってなんだよ!」
怒気の含んだ声。
俺の腕を握る手にこもる力。
「ごめ……ごめんなさい!怒んないで!!」
「いや、俺別に怒ってねぇよ。」
嘘だ。
眉間に皺が寄っているし、めんどくさいと言いたげなオーラが出ている。
「嫌いにならないでゲン兄……。」
「……いや、意味わかんねぇよ。なんで俺がお前のこと嫌いになんなきゃいけねぇの。」
腕を握る力はふっと緩んだけれどゲン兄は怒ったような、呆れたような顔をしている。
「だってゲン兄俺が泣くと怒るじゃぁぁぁん!!」
せめてゲン兄に泣いているところを見せまいと堪えていたのに、ボロッと一粒頬を伝っていった。
「……そうだな。今だけは許してやるよ。」
怒られなかった。
それどころか、困ったような不器用な笑顔を見せてくれた。
真っ裸で。
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