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きゅうじゅうきゅう。 満月sideにしおりをはさみました!
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きゅうじゅうきゅう。 満月side
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母さんと俺とミカが「如月」になってこの家に来た時からずっと俺とミカは一緒の部屋を使ってきた。
現在物置同然となっている左隣りの部屋は、もともとは俺かミカの部屋になるはずだった。
俺たちの部屋はミカの物が散らかし放題散らかされていて、何度もその部屋を片付けて一人部屋が欲しいと思った。
だけどそうしなかったのは、実はミカが寂しがりなのを知っているから。
二段ベッドを買ってもらって、上がいいとはしゃいでいたその晩、ミカはいつまでも寝付かずに俺に話しかけてきた。
この歳になって一人が寂しいだなんて変かもしれないけれどこうして俺たちは一緒に育ってきたのだ。
ミカの様子が気になりそっとベッドを抜け出した。
向かった先は右隣の部屋。兄貴の部屋。
そっとドアを開ける。
明かりはもう消されていて静まり返っている。
ベッドの上に二つの影があった。
そのうちの一つがむくりと身体を起こした。
「ごめん、起こした?」
「いや。大丈夫。」
兄貴。
「ミカ連れて行こうか?」
「ん、いーよ別に。そっちのベッドの方が狭いだろ?」
隣で眠るミカに布団を掛け直してやっていた。
俺の開けたドアから漏れる明かりが眩しいのか、ミカが寝がえりを打って俺に背を向けて兄貴に擦り寄っていった。
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