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夏の妖怪大運動会 1にしおりをはさみました!
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夏の妖怪大運動会 1
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ガヤガヤとうるさい教室。
俺がこの学園に転入してから、早いものでもうすぐ一カ月が経とうとしている。
稜や阿久津のお陰もあり、それなりにクラスにも馴染めている。
あれ以来食堂にはいってないし、銀司さんとも何もない。やっと、俺の幸せな日常がやってきた。
「なあ〜若葉ちん〜聞いてる〜?」
そう、俺が望んでいたのはこんな風に暑苦しく絡みついてくる男で....
「あ〜また無視する〜」
はない。
断じて違う。
「う〜るっせえな呼詠!」
「やだあ!若葉ちん冷たい!」
そう、何故か俺はこのクラスの学級委員長である、不和呼詠(ふわ こよみ)に異常なほどに懐かれてしまった。
「まあまあ、2人とも落ち着いて」
「そんな奴らほっとけ」
「もう〜、だから一生のお願い!!一緒にくじ引きしにいこ!ね!」
「いかねえよ!!委員長仕事しろ!!!」
「だってえ〜先輩こわいじゃ〜ん」
どうしてここまで愚図ってるかというと、なんとこの度、夏の妖怪大運動会が開催されるらしく、そのチーム決めのくじ引きが今日行われるらしい。
第1学年から第5学年まで、クラス関係なく平等に振り分けられるらしく、勝利の命運はこの男に全て掛かっているといっても過言じゃない。
そんなプレッシャーに耐えられず、この男はずっとこうやって絡みついてくるという訳だ。
「首に腕を回すな、鬱陶しい!!大体副委員長と一緒に行けばいいだろ」
「今日風邪でお休みなんだも〜ん」
「知るか!!!!」
ったく、副委員長も副委員長で何でこんな時に風邪なんか引いてんだよ!!
「若葉ちん〜...若葉ちんね、結構学園で人気あるんだよ〜。そんな人気者の若葉ちんが引いたくじなら、誰も文句言わないと思うなあ〜」
いや、俺が人気者なわけあるか。
「そういうお世辞はいいから自分で頑張りなさい」
「ううん...呼詠くんも困ってるし、若葉手伝ってあげたら?くじ引きなんて運だもん、誰も怒らないよ」
「運も実力の内って言うけどな」
「じ、仁...」
クソ、天使(稜)まで...!
「...じゃあ付き添いくらいなら行くけど、くじは絶対引かねえからな」
「わあああああ!ありがと若葉ちん!君って本当に最高だあ〜!」
「ぐえっ...一々抱きついてくるな、鬱陶しい!!!!暑苦しい!!!」
ったく...
変な犬に好かれちまった。
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