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妖怪化学 3にしおりをはさみました!
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妖怪化学 3
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一瞬視界が真っ白になり、靄のようにそれはすぐに消えていった。
しゃがみ込んだ自分の靴が目に入る。
なに、これ、成功したの?
ゆっくりと立ち上がると、身体が軽い。
「成功したみたいねぇ」
そんな先生の声が聞こえる。
「わ...若葉....」
戸惑いを隠せない稜の声に、不安を覚える。
「ね、稜。俺今どうなってる?」
そう聞くと、口をパクパクと動かしながら、固まっている。
なんだよ、そんなに不細工か?
と思いながら阿久津の方を振り返ると、顔を真っ青にして、阿久津は顔を背けている。
「おい、阿久津....?」
「う、るせ....ッ」
そう言って阿久津は、ハァッと苦しそう息を吐いた。
「え...、なに、阿久津....!」
顔を真っ青にしながらふらつく阿久津を、稜が優しく支えている。
「十朱ちゃんの妖力が強すぎるのよぉ。阿久津君は天邪鬼の妖怪ですものねぇ。天邪鬼は鬼だけど妖力の少ない鬼だからぁ、苦しいのよぉ。純血の和鬼の妖力が、ここまでだとは思わなかったわぁ」
そう呑気な声で続ける楠先生は、小さなネックレスを手渡してきた。
「これをつけてみてねぇ。少しだけ、妖力を抑える力があるのよぉ。本当に、危ない時だけはずすといいわぁ。そうしないと、妖力の少ない皆が辛いものぉ」
そう言われて辺りを見渡すと、妖力の少ない妖怪と思われる者たちが、しゃがみ込んだり、頭を抑えたりと辛そうにしているのがわかる。
ゆっくりと黒い数珠のようなネックレスを首に掛けると、一つの珠にピシッと亀裂が入った。
「まぁ...」
驚いたように楠先生は声を上げるが、特に問題はないようで、静かに微笑んでいた。
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