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3.5-9にしおりをはさみました!
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3.5-9
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「縄張りって、犬猫じゃないんだから」
深山の発言の真意を探りながら。蒔田は混ぜ返すような言い方をしてしまうけれど。
「でも。そういうの、好きじゃないでしょ」
深山はよくわかってる、蒔田はそう思った。
たしかに、自分の部屋に他人が来たり、その他人の物が増えていくのは苦手だ。これまでに付き合ったどの人についてもそれは同じで、何一つ痕跡を残してもらいたくなかった。
そういう意味では、縄張りという言い方は間違いではないかもしれない。
「好きじゃないっていうか…苦手ですね」
深山が大きな目を見開くのがわかった。
「じゃあ、なんで」
慌てて何かいいかけるのを、手で制して、
「だけど。ミヤさんは、いいんです」
誤解を招かないように伝える。
歯ブラシとかちょっとした衣類とか、深山の私物が増えていくのをむしろ嬉しいと思ってる。深山が蒔田に気を許してくれているバロメーターにも感じていて。積極的に並べたい気分になっていて。そんな女々しさに自分でも引くくらいなのに。
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