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4-42にしおりをはさみました!
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4-42
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「あのとき、お前が何考えたか…お前じゃねーからわかんねーけど。でも、ちゃんと好きだから」
噛んで含めるように言う、深山は。普段では言わないようなことを、つまりは好きだってことを、声に出していながら、照れはどこにもなかった。
蒔田が、上手く掬い上げることができなかったみたいに。深山も何か、あのときの言葉を弁解したかったんだろうか。
「ちゃんと好きだから。お前のこと…あーいうのが、嫌じゃないくらいには」
こんなところでする話題じゃないのは、重々承知だが、深山のその言葉に食いつかないではいられない蒔田で。
「え、じゃあ」
「したいかどうか、って聞かれたら、わかんないよ、それは」
「でも、しなきゃいけない、からした訳じゃなくて。マキだから…」
声を潜めて、何を、とかそういうのをぼかして話しているから、よほど聞き耳をたてていなければ、何について話しているかなんて、他人にはわからない。
だけど、蒔田本人には、新幹線の中で平静と聞いていられる話ではなかった。自意識過剰といわれようとも。
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