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4-48にしおりをはさみました!
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4-48
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話すに当たって。なんか飲むものがほしいと深山に言われて。いつもだったらオレンジジュースをすかさず出すところだけれど、来なかった1ヶ月の間に、冷蔵庫の定番のものは一掃されていたから。
ミネラルウォーターと、先日隣の奥様からお裾分けでもらったビールとを、ローテーブルに並べる。それを見て一瞬、躊躇したように見えた深山は、だけど何も言わずにビールの方を手に取った。酒の力を借りたい時だって、きっとあるのだ。
そんな深山の髪の毛は、タオルで拭くだけにしろ、それなりに乾かされていて。少し涼しくなって、夏のように水が滴る状態ではなくなったようだ。形のいい深山の頭の辺りを眺めながら、ビール片手にポツポツと話し出した声に耳を傾けていた。
×××
あの日、まさに蒔田と深山の間で取り返しのつかない(と蒔田は思っていた)出来事が起こった日の午後、深山のおじいさんは危篤状態に陥った。
母親から連絡をうけた深山は、とるものとりあえず(スマホの充電器も忘れる始末だったそうだ)地元に向かったという。
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